智囊 / 經務・富弼・滕元發・原杰
滕元發知鄆州,歲方飢,乞淮南米二十萬石為備。時淮南、京東皆大飢,元發召城中富民,與約曰:「流民且至,無以處之則疾疫起,並及汝矣。吾得城外廢營地,欲為席屋以待之。」民曰:「諾。」為屋二千五百間,一夕而成。流民至,以次授地,井灶器用皆具。以兵法部勒,少者炊,壯者樵,婦汲,老者休,民至如歸。上遣工部郎中王右按視,庐舍道巷,引繩棋佈,肅然如營陣。右大驚,圖上其事。有詔褒美,蓋活萬人云。〔馮述評〕祁爾光曰:「滕達道之處流民,大類富鄭公。富散而民不擾,騰聚而能整,皆可為法。」
新字:滕元発知鄆州,歳方飢,乞淮南米二十万石為備。時淮南、京東皆大飢,元発召城中富民,与約曰:「流民且至,無以処之則疾疫起,並及汝矣。吾得城外廃営地,欲為席屋以待之。」民曰:「諾。」為屋二千五百間,一夕而成。流民至,以次授地,井灶器用皆具。以兵法部勒,少者炊,壮者樵,婦汲,老者休,民至如帰。上遣工部郎中王右按視,庐舎道巷,引縄棋佈,粛然如営陣。右大驚,図上其事。有詔褒美,蓋活万人云。〔馮述評〕祁爾光曰:「滕達道之処流民,大類富鄭公。富散而民不擾,騰聚而能整,皆可為法。」
書き下し
滕元発、鄆州を知す。歳方に飢え、淮南の米二十万石を乞いて備えと為す。時に淮南、京東は皆な大飢なり。元発、城中の富民を召し、与に約して曰く、「流民且に至らんとす。之を処する無くんば則ち疾疫起こり、並せて汝に及ばん。吾、城外の廃営の地を得て、席屋を為りて以て之を待たんと欲す」と。民曰く、「諾」と。屋二千五百間を為ること、一夕にして成る。流民至れば、次を以て地を授け、井竈器用皆な具う。兵法を以て部勒し、少き者は炊ぎ、壮き者は樵し、婦は汲み、老いたる者は休み、民の至ること帰るが如し。上、工部郎中王右を遣わして按視せしむ。廬舎道巷、縄を引きて棋布し、粛然として営陣の如し。右大いに驚き、其の事を図上す。詔有りて褒美す。蓋し万人を活かせりと云う。〔馮述評〕祁爾光曰く、「滕達道の流民を処する、大いに富鄭公に類す。富は散じて民擾れず、滕は聚めて能く整う。皆な法と為すべし」と。
現代語訳
滕元発は鄆州の長官になった。ちょうどその年は飢饉で、淮南の米二十万石を願い出て備えとした。当時、淮南も京東も皆が大飢饉であった。元発は城内の富裕な民を呼び、約束した。「流民がまもなく来る。収容しなければ疫病が起こり、あなた方にも及ぶ。私は城外の廃営の跡地を得たので、むしろ張りの小屋を造って受け入れたい」。民は答えた。「承知しました」。小屋二千五百間を、一晩で完成させた。流民が到着すると、順に土地を割り当て、井戸、かまど、器具がすべて整っていた。兵法の方式で編成し、若い者は炊事、壮年は薪取り、婦人は水汲み、老人は休むことにし、民が到着するのはまるで我が家に帰るようだった。皇帝は工部郎中の王右を遣わして視察させた。小屋や道は縄を引いて碁盤のように整然と並び、粛然として軍営の陣のようだった。王右は大いに驚き、その状況を図にして上奏した。詔があって称賛された。万人の命を救ったという。〔馮述評〕祁爾光は言う。「滕達道の流民の処置は、富鄭公によく似ている。富は分散させて民を乱さず、滕は集めてよく整えた。いずれも手本とすべきだ」。
解説
この章句が説くこと
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