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智囊 / 經務・朱熹

「今之撫按有第一美政所急當舉行者;要將各項下贓罰銀,督令各府縣盡數糴穀;其有罪犯自徒流以下,許其以谷贖罪。大率上縣每年要谷一萬,下縣五千。兩直隸巡撫下有縣凡一百,則是每年有谷七十餘萬,積至三年,即有二百餘萬矣。若遇一縣有水旱之災,則聽於無災縣分通融借貸,俟來年豐熟補還,則東南百姓可免於流亡,而朝遷於財賦之地永無南顧之憂矣。善政之大,無過於此!」

新字:「今之撫按有第一美政所急当舉行者;要将各項下贓罰銀,督令各府県尽数糴穀;其有罪犯自徒流以下,許其以谷贖罪。大率上県毎年要谷一万,下県五千。両直隸巡撫下有県凡一百,則是毎年有谷七十余万,積至三年,即有二百余万矣。若遇一県有水旱之災,則聴於無災県分通融借貸,俟来年豊熟補還,則東南百姓可免於流亡,而朝遷於財賦之地永無南顧之憂矣。善政之大,無過於此!」

書き下し

「今の撫按の第一の美政にして急ぎ当に挙行すべき者有り。要は各項の下の贓罰銀を、各府県を督令して尽数糴穀せしむるにあり。其の罪犯の徒流以下に有るは、其の穀を以て罪を贖うを許す。大率として上県は毎年穀一万を要し、下県は五千。両直隷の巡撫の下に県凡そ百有らば、則ち是れ毎年穀七十余万有りて、積むこと三年にして、即ち二百余万有らん。若し一県の水旱の災に遇わば、則ち災無き県分に於いて通融借貸するを聴し、来年の豊熟を俟ちて補い還さしむ。則ち東南の百姓は流亡を免るべく、而して朝廷は財賦の地に於いて永く南顧の憂い無からん。善政の大なる、此れより過ぎたるは無し」と。

現代語訳

「今の巡撫や按察使にとって、第一の善政として急いで実行すべきことがある。肝心なのは、各項目の没収金や罰金を、各府県に督促して全額で穀物を買い入れさせることだ。徒刑や流刑以下の罪を犯した者は、穀物で罪を償うことを許す。おおよそ、上等の県は毎年穀物一万、下等の県は五千を納めさせる。南北の直隷の巡撫の下に県が百あれば、毎年七十万石あまりの穀物が集まり、三年蓄えればすぐに二百万石あまりになる。もし、ある県が水害や干ばつに遭えば、災害のない県からやりくりして貸し出すことを許し、翌年の豊作を待って返済させる。そうすれば、東南の百姓は流浪を免れ、朝廷も財賦の地において、永く南方への心配がなくなる。善政の大きさで、これに勝るものはない」。

解説

何良俊の提案は、罰金や贖罪の金を穀物の蓄えに変え、災害のあった県に他県から融通させるという、広域での相互扶助の仕組みです。毎年の目標量を県の等級ごとに示し、三年で二百万石に達するという見通しまで書かれている点が実務的です。馮夢龍は前の話で、名ばかりの備蓄が着服される現実を嘆きました。この提案は、その弊害を意識した具体策として読めます。現代の組織でも、平時に余力を積み立てておき、苦しい部署へ他部署から融通する仕組みを制度として備えておくと、危機時の判断が速くなります。

この章句が説くこと

贓罰銀糴穀通融借貸積至三年広域融通財政備え

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