智囊 / 經務・程顥
河東路財賦不充,官有科買,則物價騰踴,歲為民患。明道先生度所需,使富家預備,定其價而出之。富室不失息,而鄉民所費比舊不過十之二三。民稅粟常移近邊,載往則道遠,就糴則價高。先生擇富民之可任者,預使購粟邊郡,所費大省。用富民而不擾,是大經濟,亦由廉惠實心,素孚於民故。不然,令未行而謗已騰矣。
新字:河東路財賦不充,官有科買,則物価騰踴,歳為民患。明道先生度所需,使富家預備,定其価而出之。富室不失息,而郷民所費比旧不過十之二三。民税粟常移近辺,載往則道遠,就糴則価高。先生択富民之可任者,預使購粟辺郡,所費大省。用富民而不擾,是大経済,亦由廉恵実心,素孚於民故。不然,令未行而謗已騰矣。
書き下し
河東路は財賦充たず、官に科買有れば、則ち物価騰踊し、歳に民の患いと為る。明道先生、需むる所を度り、富家をして預め備えしめ、其の価を定めて之を出ださしむ。富室は息を失わず、而して郷民の費やす所は旧に比して十の二三に過ぎず。民の税粟は常に近辺に移し、載せ往けば則ち道遠く、就きて糴すれば則ち価高し。先生は富民の任ずべき者を択び、預め辺郡に粟を購わしめ、費やす所大いに省く。富民を用いて擾さざるは、是れ大経済なり。亦た廉恵の実心、素より民に孚あるに由るが故なり。然らざれば、令の未だ行われざるに謗り已に騰がらん。
現代語訳
河東路は財政が不足しており、役所が物資を割り当てて買い上げると、物価が高騰して毎年民の苦しみとなっていた。明道先生(程顥)は必要な量を見積もり、富裕な家にあらかじめ準備させ、価格を定めて出させた。富豪は利息を失わず、一方で郷里の民が払う費用は以前に比べて十分の二、三に過ぎなかった。民の納める税の穀物は、いつも辺境に近い所へ移されたが、運んで行けば道は遠く、現地で買えば値が高い。先生は信頼できる富裕な民を選び、あらかじめ辺境の郡で穀物を買い付けさせて、費用を大いに省いた。富民を用いても混乱させなかったのは、大いなる経世の手腕である。それは清廉で恵み深い誠実な心が、普段から民の信頼を得ていたからでもある。そうでなければ、命令がまだ行われないうちに非難の声が上がっていたであろう。
解説
この章句が説くこと
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