智囊 / 剖疑・廖縣尉・程珦
宋元豐中,陳州蔡仙姑能化現丈六金身,堂設淨水,至者必先洗目而入。有廖縣尉,一日率其部曲,約洗一目。及入,以洗目視之,寶蓮台上金佛巍然;以不洗目視之,大竹籃中一老嫗,箕踞而坐,乃叱其下,擒之。程珦嘗知龔州。有傳區希范家神降,迎其神,將為祠南海。道出龔,珦詰之,答曰:「比過潯,潯守不信,投祠具江中,乃逆流上。守懼,更致禮,珦曰:「吾請更投之。」則順流去,妄遂息。珦,明道、伊川之父。
新字:宋元豊中,陳州蔡仙姑能化現丈六金身,堂設浄水,至者必先洗目而入。有廖県尉,一日率其部曲,約洗一目。及入,以洗目視之,宝蓮台上金仏巍然;以不洗目視之,大竹籃中一老嫗,箕踞而坐,乃叱其下,擒之。程珦嘗知龔州。有伝区希范家神降,迎其神,将為祠南海。道出龔,珦詰之,答曰:「比過潯,潯守不信,投祠具江中,乃逆流上。守懼,更致礼,珦曰:「吾請更投之。」則順流去,妄遂息。珦,明道、伊川之父。
書き下し
宋の元豊中、陳州の蔡仙姑、能く丈六の金身を化現す。堂に浄水を設け、至る者は必ず先ず目を洗いて入る。廖県尉有り、一日、其の部曲を率い、約して一目を洗う。入るに及び、洗いし目を以て之を視れば、宝蓮台上に金仏、巍然たり。洗わざる目を以て視れば、大竹籃の中に一老嫗、箕踞して坐す。乃ち其の下を叱し、之を擒う。程珦、嘗て龔州に知たり。区希範の家神降ると伝うる者有り、其の神を迎え、将に南海に祠らんとす。道、龔に出ずるに、珦、之を詰る。答えて曰く、「比ごろ潯を過ぐるに、潯守、信ぜず。祠具を江中に投ずれば、乃ち逆流して上る。守懼れ、更めて礼を致す」と。珦曰く、「吾、請う、更に之を投ぜん」と。則ち順流して去る。妄、遂に息む。珦は、明道、伊川の父なり。
現代語訳
宋の元豊年間、陳州の蔡仙姑は、丈六の金色の身を現すことができると評判だった。堂に清めの水を置き、来る者は必ずまず目を洗ってから入った。廖という県尉が、ある日、部下を率いて、片方の目だけを洗う約束をして入った。入ると、洗った目で見れば、宝の蓮台の上に金色の仏が堂々とそびえている。洗っていない目で見れば、大きな竹の籠の中に一人の老婆が足を投げ出して座っているだけであった。そこで部下を叱り、老婆を捕らえた。程珦は、かつて龔州の知事だった。区希範の家に神が降りたと伝える者がいて、その神を迎え、南海に祭ろうとしていた。道が龔州を通ったので、珦はその者を詰問した。答えて言った。「先ごろ潯州を通ったとき、潯州の太守が信じませんでした。祭りの道具を川に投げると、逆流して上りました。太守は恐れ、改めて礼を尽くしました」。珦は言った。「では私も、もう一度投げさせてほしい」。すると今度は川の流れに従って流れ去った。偽りはこうして止んだ。珦は、程明道と程伊川の父である。
解説
この章句が説くこと
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