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智囊 / 剖疑・林俊憲

滇俗崇釋信鬼。鶴慶玄化寺稱有活佛,歲時士女會集,動數萬人,爭以金泥其面。林俊按鶴慶,命焚之。父老爭言「犯之者,能致雹損稼」,俊命積薪舉火:「果雹即止!」火發,無他,遂焚之。得金數百兩,悉輸之官。代民償逋。〔馮述評〕五斗米、白蓮教之禍,皆以燒香聚眾為端,有地方之責者,不得不防其漸,非徒醒愚救俗而已。夫佛以清淨為宗,寂滅為教,萬無活理,且言「犯者致雹」,此山鬼伎倆,佛若有靈,肯受人誣乎?即果能致雹,亦必異物憑之,非佛所致也!況邪不勝正,異物必不能致雹乎?火舉而雹不至,大眾亦何說之辭哉!至金悉輸官,佛亦諒其無私矣。近世有佛面刮金,致惡瘡潰面以死,夫此墨吏,亦佛法所不容也。不然,苟有益生民,佛雖捨身猶可也。

新字:滇俗崇釈信鬼。鶴慶玄化寺称有活仏,歳時士女会集,動数万人,争以金泥其面。林俊按鶴慶,命焚之。父老争言「犯之者,能致雹損稼」,俊命積薪舉火:「果雹即止!」火発,無他,遂焚之。得金数百両,悉輸之官。代民償逋。〔馮述評〕五斗米、白蓮教之禍,皆以焼香聚衆為端,有地方之責者,不得不防其漸,非徒醒愚救俗而已。夫仏以清浄為宗,寂滅為教,万無活理,且言「犯者致雹」,此山鬼伎倆,仏若有霊,肯受人誣乎?即果能致雹,亦必異物憑之,非仏所致也!況邪不勝正,異物必不能致雹乎?火舉而雹不至,大衆亦何説之辞哉!至金悉輸官,仏亦諒其無私矣。近世有仏面刮金,致悪瘡潰面以死,夫此墨吏,亦仏法所不容也。不然,苟有益生民,仏雖捨身猶可也。

書き下し

滇の俗は釈を崇び鬼を信ず。鶴慶の玄化寺に活仏有りと称し、歳時に士女会集すること、動もすれば数万人。争いて金を以て其の面に泥る。林俊、鶴慶を按ずるに、命じて之を焚かしむ。父老、争いて言う、「之を犯す者は、能く雹を致して稼を損なう」と。俊、薪を積みて火を挙げしめて曰く、「果たして雹ならば即ち止めよ」と。火発して他無く、遂に之を焚く。金数百両を得て、悉く之を官に輸し、民の為に逋を償う。〔馮述評〕五斗米、白蓮教の禍は、皆な香を燒き衆を聚むるを以て端と為す。地方の責有る者は、其の漸を防がざるを得ず。徒だ愚を醒まし俗を救うのみに非ざるなり。夫れ仏は清浄を宗とし、寂滅を教えと為す。万に活理無し。且つ「犯す者は雹を致す」と言うは、此れ山鬼の伎倆なり。仏、若し霊有らば、肯て人に誣いられんや。即ち果たして能く雹を致すとも、亦た必ず異物の憑るならん。仏の致す所に非ざるなり。況んや邪は正に勝たず、異物は必ず雹を致す能わざるをや。火挙がりて雹至らず。大衆も亦た何の説あらん。金の悉く官に輸するに至りては、仏も亦た其の私無きを諒とせん。近世、仏面の金を刮ぎて、悪瘡、面に潰えて以て死せし者有り。夫れ此の墨吏は、亦た仏法の容れざる所なり。然らずば、苟くも生民に益有らば、仏は身を捨つるとも猶お可なり。

現代語訳

雲南の風俗は仏を崇め鬼を信じる。鶴慶の玄化寺には生き仏がいると称し、季節ごとに男女が集まるのは、数万人に達した。争って金を持ち寄り、その顔に塗った。林俊が鶴慶を巡察したとき、これを焼き払うよう命じた。長老たちは争って言った。「これを犯す者は、雹を降らせて作物を傷めます」。林俊は薪を積んで火をつけさせて言った。「本当に雹が降るなら、火を消せ」。火が上がっても何事もなく、そのまま焼いた。金を数百両得て、すべて官に納め、民のために未納の税を償った。〔馮夢龍の評〕五斗米道や白蓮教の禍は、いずれも香をたいて民衆を集めたことが発端であった。地方の責任ある者は、その兆しを防がないわけにはいかない。ただ愚かさを覚まして風俗を救うだけではない。そもそも仏は清浄を宗とし、寂滅を教えとする。生きた仏などありえない。しかも「犯す者は雹を降らす」と言うのは、山の鬼の技である。仏にもし霊があるなら、人に偽りの名を使われることを許すだろうか。たとえ本当に雹を降らせたとしても、必ず異物が憑いたのであって、仏の仕業ではない。まして邪は正に勝てず、異物は雹を降らせることなどできない。火が上がっても雹は降らなかった。大衆にも言うべきことはないはずだ。金をすべて官に納めたことについては、仏もその私心のなさを認めるだろう。近ごろ、仏の顔の金をはがして、悪い腫れものが顔に潰れて死んだ者がいる。この汚職官吏は、仏法も許さないところだ。そうでなければ、もし民に益があるなら、仏は身を捨てても構わない。

解説

林俊は、祟りを恐れる民の前で、祟りが起きたら止めるという条件を示して燃やし、何も起きないことで迷信の根拠を崩しました。その後、得た金を民の未納の税に充てたことで、私欲のない行いとして評価されます。信仰の自由と、大衆動員が反乱の温床になる危険は区別して見る必要があると馮夢龍は述べます。管理職の目で読むなら、検証条件の事前合意、成果の公正な還元、集団の熱狂を放置しない予防の三点が教訓です。理屈で説き伏せるのが難しい場面では、現物で結果を示す手が有効です。

この章句が説くこと

活仏積薪挙火果雹即止輸之官予防検証

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