呻吟語 / 外篇・品藻・皆な涵養中より來たらず
氣節信不過人,有出一時之感慨,則小人能為君子之事;有出於一念之剽竊,則小人能盜君子之名。亦有初念甚力,久而屈其雅操,當危能奮安而喪其平生者,此皆不自涵養中來。
新字:気節信不過人,有出一時之感慨,則小人能為君子之事;有出於一念之剽竊,則小人能盗君子之名。亦有初念甚力,久而屈其雅操,当危能奮安而喪其平生者,此皆不自涵養中来。
書き下し
氣節は信に人に過ぎず。一時の感慨に出づる有らば、則ち小人も君子の事を為す能ふ。一念の剽竊に出づる有らば、則ち小人も君子の名を盜む能ふ。亦た初念甚だ力めて、久しくして其の雅操を屈し、危に當たりて能く奮ひ安んじて其の平生を喪ふ者有り。此れ皆な涵養中より來たらざるなり。
現代語訳
気節は本当に人に優れているとは限りません。一時の感激から出たものであれば、小人でも君子のすることができます。一つの盗み取る思いから出たものであれば、小人でも君子の名を盗めます。また初めは懸命でも、長く続くうちに節操を曲げ、危機には奮い立てても平穏な時に生涯の志を失う者もいます。これらはみな養いの中から来ていないのです。
解説
気節の見せかけを、三通りに分けます。一時の感激、名の盗み取り、そして途中での挫折です。とくに三つ目が具体的で、危機に奮い立てた人が平穏な時に崩れるとされます。危機より平穏のほうが難しいという指摘で、養いから来ていない気節は持たないという結論になっています。危機より平穏のほうが難しい、という指摘になっています。
この章句が説くこと
気節見せかけ涵養平穏持続
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