智囊 / 億中・傅嘏
何晏、鄧颺、夏侯玄並求傅嘏交,而嘏終不許。諸人乃因荀粲說合之,謂嘏曰:「夏侯太初一時之杰士,虛心於子,而卿意懷不可。交合則好成,不合則致隙,二賢莫若睦,則國之休,此藺相如所以下廉頗也。」傅嘏曰:「夏侯太初志大心勞,能合虛譽,所謂利口覆國之人;何晏、鄧颺有為而躁,博而寡要,外好利而內無關鑰,貴同惡異。多言而妒前,多言多釁,妒前無親。以吾觀之,此三賢者皆敗德之人爾,遠之猶恐罹禍,況可親之耶?」皆如其言。〔馮述評〕蔡邕就董卓之辟,而不免其身;韋忠辭張華之薦,而竟違其禍。士君子不可不慎所因也!
新字:何晏、鄧颺、夏侯玄並求傅嘏交,而嘏終不許。諸人乃因荀粲説合之,謂嘏曰:「夏侯太初一時之杰士,虚心於子,而卿意懐不可。交合則好成,不合則致隙,二賢莫若睦,則国之休,此藺相如所以下廉頗也。」傅嘏曰:「夏侯太初志大心労,能合虚誉,所謂利口覆国之人;何晏、鄧颺有為而躁,博而寡要,外好利而内無関鑰,貴同悪異。多言而妬前,多言多釁,妬前無親。以吾観之,此三賢者皆敗徳之人爾,遠之猶恐罹禍,況可親之耶?」皆如其言。〔馮述評〕蔡邕就董卓之辟,而不免其身;韋忠辞張華之薦,而竟違其禍。士君子不可不慎所因也!
書き下し
何晏・鄧颺・夏侯玄は並びに傅嘏に交わりを求むるも、嘏は終に許さず。諸人は乃ち荀粲に因りて説き合わせしめ、嘏に謂いて曰く、「夏侯太初は一時の傑士にして、心を子に虚しくす。而るに卿の意は不可を懐く。交われば則ち好み成り、合わざれば則ち隙を致す。二賢は睦むに若くは莫し、則ち国の休なり。此れ藺相如の廉頗に下りし所以なり」と。傅嘏曰く、「夏侯太初は志大にして心労し、能く虚誉に合う。所謂利口にして国を覆す人なり。何晏・鄧颺は有為にして躁、博くして要寡く、外は利を好みて内に関鑰無く、同を貴び異を悪む。多言にして前を妒む。多言なれば釁多く、前を妒めば親無し。吾を以て観るに、此の三賢者は皆な敗徳の人のみ。之を遠ざくるすら猶お禍に罹らんことを恐る、況んや之に親しむべけんや」と。皆な其の言の如し。〔馮述評〕蔡邕は董卓の辟に就きて、其の身を免れず。韋忠は張華の薦を辞して、竟に其の禍を違く。士君子は因る所を慎まざるべからず。
現代語訳
何晏・鄧颺・夏侯玄はそろって傅嘏に交際を求めたが、嘏はついに許さなかった。人々は荀粲を通じて間を取り持たせ、嘏に言った。「夏侯太初は当代の傑出した士で、あなたに対して心を開いています。ところが、あなたは不可とする気持ちを抱いています。交われば仲が深まり、合わなければ隙間ができます。二人の賢者が睦まじくするのが一番で、国にとっても喜ばしいことです。これが藺相如が廉頗に譲った理由です」。傅嘏は言った。「夏侯太初は志が大きくて心は疲れており、空虚な名声に合わせることができる。いわゆる口が達者で国を覆す人だ。何晏と鄧颺は事を成そうとして焦り、広く手を出しても要点が少なく、外では利益を好み内には歯止めがなく、同調を貴び異論を憎む。多弁で先行する者を妬む。多弁であれば災いが多く、先行する者を妬めば親しい者がいなくなる。私が見るに、この三人の賢者はみな徳を損なう人間だ。遠ざけてさえも災いにかかることを恐れるのに、まして親しくするなどもってのほかだ」。すべて彼の言うとおりになった。〔馮夢龍の評〕蔡邕は董卓の招きに応じて、自分の身を免れず、韋忠は張華の推薦を辞して、結局災いを避けた。士君子は、頼る相手を慎重に選ばなければならない。
解説
この章句が説くこと
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