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智囊 / 通簡・李允則

李允則嘗宴軍,而甲杖庫火。允則作樂飲酒不輟,少頃火息,密遣吏持檄瀛州,以茗籠運器甲。不浹旬,軍器完足,人無知者。樞密院請劾不救火狀,真宗曰:「允則必有謂,姑詰之。」對曰:「兵械所藏,儆火甚嚴。方宴而焚,必奸人所為。若舍宴救火,事當不測。」〔馮述評〕祥符末,內帑災,縑帛幾罄。三司使林特請和市於河外。章三上,王旦在中書悉抑之。徐曰:「瑣微之帛,固應自至,奈何彰困弱於四方?」居數日,外貢駢集,受帛四百萬,蓋旦先以密符督之也。允則茗籠運甲,亦此意。

新字:李允則嘗宴軍,而甲杖庫火。允則作楽飲酒不輟,少頃火息,密遣吏持檄瀛州,以茗籠運器甲。不浹旬,軍器完足,人無知者。枢密院請劾不救火状,真宗曰:「允則必有謂,姑詰之。」対曰:「兵械所蔵,儆火甚厳。方宴而焚,必奸人所為。若舎宴救火,事当不測。」〔馮述評〕祥符末,内帑災,縑帛幾罄。三司使林特請和市於河外。章三上,王旦在中書悉抑之。徐曰:「瑣微之帛,固応自至,奈何彰困弱於四方?」居数日,外貢駢集,受帛四百万,蓋旦先以密符督之也。允則茗籠運甲,亦此意。

書き下し

李允則は嘗て軍に宴するに、甲杖庫火あり。允則は楽を作して酒を飲みて輟めず、少頃にして火息む。密かに吏を遣わして檄を瀛州に持たしめ、茗籠を以て器甲を運ばしむ。浹旬ならずして、軍器完足し、人の知る者無し。枢密院は不救火の状を劾せんと請う。真宗曰く、「允則は必ず謂う有らん。姑く之を詰せよ」と。対えて曰く、「兵械の蔵する所は、火を儆むること甚だ厳なり。方に宴して焚くるは、必ず奸人の為す所ならん。若し宴を舎てて火を救わば、事は当に測られざるべし」と。〔馮述評〕祥符の末、内帑災あり、縑帛幾んど罄く。三司使林特は和市を河外に請う。章三たび上るも、王旦は中書に在りて悉く之を抑う。徐ろに曰く、「瑣微の帛は、固より応に自ら至るべし。奈何ぞ困弱を四方に彰かにせんや」と。居ること数日、外貢駢び集まり、帛四百万を受く。蓋し旦は先ず密符を以て之を督せしなり。允則の茗籠もて甲を運ぶも、亦た此の意なり。

現代語訳

李允則はある時、軍に酒宴を開いていたところ、武器庫で火事が起きた。允則は音楽を奏でさせて酒を飲み続け、しばらくして火は消えた。ひそかに役人を遣わして、檄文を瀛州に持たせ、茶籠に隠して武具を運ばせた。十日もたたないうちに武器は完全にそろい、知る者はいなかった。枢密院は、火を消さなかった罪状を弾劾するよう願い出た。真宗は、「允則には必ず理由があろう。まず問いただせ」と言った。允則は答えた。「武器を保管する所は、火に対する警戒が非常に厳重です。宴を開いている最中に燃えるのは、必ず悪人の仕業でしょう。もし宴を捨てて火を消しにかかれば、事態は予測できないことになったでしょう」。〔馮夢龍の評〕祥符年間の末、宮中の倉庫が火災に遭い、絹織物がほとんどなくなった。三司使の林特は河外での買い上げを願い出た。上奏は三度に及んだが、王旦は中書にいてすべて抑えた。ゆっくりと言った。「わずかな絹織物なら、自然に集まるはずだ。どうして困窮や弱みを四方に知らしめる必要があるのか」。数日して、各地からの貢納が次々と集まり、絹織物は四百万を受け取った。王旦があらかじめ密かな割符で督促していたのである。允則が茶籠で武具を運んだのも、同じ趣旨である。

解説

武器庫の火事に動じず宴を続けた李允則は、裏で別の州から武具を運ばせ、被害が外部に知られないようにしました。火の気の厳しい場所で宴の最中に出火したなら、悪意ある者の仕業で、騒げば敵の思う壺という読みです。王旦も、倉庫の被災を公にせず、密かな割符で必要な物資を集めました。危機が起きたときに慌てて外に見せず、ひそかに復旧しながら事態を収める姿勢です。現代でも、情報漏えいや設備の事故が起きたとき、見えない場所で手を打って平静を保つことが、信用や取引の維持につながります。

この章句が説くこと

楽を作して酒を飲みて輟めず茗籠を以て器甲を運ばしむ困弱を四方に彰かにせんや危機管理冷静情報管理

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