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智囊 / 遠猶・程琳

程琳,字天球,為三司使日,議者患民稅多名目〔馮注:大麥纊絹綢鞋錢食鹽錢〕,恐吏為奸,欲除其名而合為一。琳曰:「合為一而沒其名,一時之便,後有興利之臣,必復增之,是重困民也。」議者雖唯唯,然當時猶未知其言之為利。至蔡京行方田之法,盡並之,乃始思其言而咨嗟焉。

新字:程琳,字天球,為三司使日,議者患民税多名目〔馮注:大麦纊絹綢鞋銭食塩銭〕,恐吏為奸,欲除其名而合為一。琳曰:「合為一而没其名,一時之便,後有興利之臣,必復增之,是重困民也。」議者雖唯唯,然当時猶未知其言之為利。至蔡京行方田之法,尽並之,乃始思其言而咨嗟焉。

書き下し

程琳、字は天球、三司使たりし日、議者、民税の名目多き〔馮注:大麦・纊・絹・綢・鞋銭・食塩銭〕を患え、吏の奸を為さんことを恐れ、其の名を除きて合して一と為さんと欲す。琳曰く、「合して一と為し其の名を没するは、一時の便なり。後に利を興す臣有らば、必ず復た之を増さん。是れ重ねて民を困しむるなり」と。議者は唯唯と雖も、然れども当時は猶お未だ其の言の利と為るを知らず。蔡京、方田の法を行うに至り、尽く之を並せ、乃ち始めて其の言を思いて咨嗟せり。

現代語訳

程琳、字は天球が三司使だったとき、議論する者たちは、民への税の名目が多いことを問題にし〔馮夢龍の注:大麦、綿、絹、綢、靴銭、食塩銭など〕、役人が不正をするのを恐れて、名目をなくして一つにまとめようとした。程琳は言った。「一つにまとめて名目を消すのは、一時の便利にすぎない。後に利益を図る臣下が現れたら、必ずまた税を増やす。それは民をさらに困らせることになる」。議論する者たちは「はいはい」と言ったが、当時はまだ程琳の言葉が民の利益になることを知らなかった。蔡京が方田法を行って、すべてを一つに併合してはじめて、人々は程琳の言葉を思い出して嘆いた。

解説

税の名目を一つにまとめれば、簡素化され不正も減るように見えます。しかし程琳は、名目が消えれば、既存の負担と後からの上乗せの境目が見えなくなり、後世の為政者が自由に増税できると見抜きました。蔡京の時代に、まさにその通りになります。現代の管理職も、手当や評価項目、コスト項目などをまとめて簡素化したくなる時があります。ただし内訳の見える化が、不当な上乗せや恣意的な運用を防ぐ盾になることもあります。簡素化の利点と透明性の喪失の両方を比べて判断する目が必要です。

この章句が説くこと

名目合して一と為す利を興す臣増税透明性制度設計

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