導師導古典を学びたいすべての人に 法人向けワークシート法人向けワークシート

智囊 / 遠猶・陳恕

陳晉公為三司使,真宗命具中外錢穀大數以聞,怒諾而不進。久之,上屢趣之,恕終不進。上命執政詰之,恕曰:「天子富於春秋,若知府庫之充羨,恐生侈心。」〔馮述評〕李吉甫為相,撰《元和國計簿》上之,總計天下方鎮、州、府、縣戶稅實數,比天寶戶稅四分減三,天下仰給縣官者八十二萬餘人,比天寶三分增一,其水旱所傷、非時調發者,不在此數,欲以感悟朝廷。大臣憂國深心類如此。

新字:陳晋公為三司使,真宗命具中外銭穀大数以聞,怒諾而不進。久之,上屡趣之,恕終不進。上命執政詰之,恕曰:「天子富於春秋,若知府庫之充羨,恐生侈心。」〔馮述評〕李吉甫為相,撰《元和国計簿》上之,総計天下方鎮、州、府、県戸税実数,比天宝戸税四分減三,天下仰給県官者八十二万余人,比天宝三分增一,其水旱所傷、非時調発者,不在此数,欲以感悟朝廷。大臣憂国深心類如此。

書き下し

陳晋公、三司使たりしとき、真宗、中外の銭穀の大数を具えて聞せしむ。恕、諾して進めず。久しくして、上屢々之を趣すも、恕終に進めず。上、執政に命じて之を詰らしむ。恕曰く、「天子は春秋に富む。若し府庫の充羨を知らば、恐らくは侈心を生ぜん」と。〔馮述評〕李吉甫、相と為りて、《元和国計簿》を撰して之を上る。総じて天下の方鎮・州・府・県の戸税の実数を計るに、天宝の戸税に比して四分の三を減じ、天下の県官に仰給する者八十二万余人、天宝に比して三分の一を増す。其の水旱に傷つく所、非時に調発する所は此の数に在らず。以て朝廷を感悟せしめんと欲す。大臣の国を憂うる深心、類ね此くの如し。

現代語訳

陳恕(陳晋公)が三司使だったとき、真宗は国内外の金銭と穀物の大まかな数を報告せよと命じた。陳恕は承知したが提出しなかった。長い間、皇帝が何度も催促しても、ついに出さない。皇帝は宰相たちに理由を問いただすよう命じた。陳恕は答えた。「天子はまだお若くいらっしゃいます。もし倉庫がどれほど満ちているかをお知りになれば、おごり高ぶる心が生まれるのではと恐れたのです」。〔馮夢龍の評〕李吉甫は宰相のとき、『元和国計簿』を著して献上した。天下の藩鎮・州・府・県の戸税の実数を合計すると、天宝年間に比べて四分の三も減り、国家から給与を受ける者は八十二万人余りで、天宝より三分の一増えていた。水害や干ばつの被害、臨時の徴発はこの数に含まれていない。これで朝廷に悟らせようとしたのである。大臣が国を深く憂える心は、おおむねこのようなものだ。

解説

陳恕は、財政が豊かなことを知れば若い君主が浪費に走ると恐れ、命令に背いてまで数字を出しませんでした。一方、馮夢龍は李吉甫が逆に厳しい実数を示して朝廷を目覚めさせた例を並べ、どちらも国を憂える大臣の深い配慮だと評しています。つまり、数字を隠すか示すかは手段にすぎず、目的は君主の驕りと油断を防ぐことです。現代の経営者や管理職も、業績の好調を共有する範囲やタイミングを誤ると、現場や上層部の緩みを招きます。ただし数字を隠すことには危うさもあり、何のために出す、出さないのかを自分に問う必要があります。

この章句が説くこと

府庫の充羨侈心元和国計簿情報開示財政リスク管理

関連する章句

古典の入門書『人生の教科書』の表紙

人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。

古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。

本の中身を見る
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)+師導1か月=700円 本を見る