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智囊 / 見大・李愬・馮諼

節度使李愬既平蔡,械吳元濟送京師。屯兵鞠場,以待招討使裴度。度入城,愬具橐橐出迎,拜於路左,度將避之。愬曰:「蔡人頑悖,不識上下之分數十年矣。願公因而示之,使知朝廷之尊。」度乃受之。

新字:節度使李愬既平蔡,械呉元済送京師。屯兵鞠場,以待招討使裴度。度入城,愬具橐橐出迎,拝於路左,度将避之。愬曰:「蔡人頑悖,不識上下之分数十年矣。願公因而示之,使知朝廷之尊。」度乃受之。

書き下し

節度使李愬、既に蔡を平らげ、呉元済を械して京師に送る。兵を鞠場に屯して、以て招討使の裴度を待つ。度、城に入るに、愬は橐橐を具えて出迎え、路の左に拝す。度は将に避けんとす。愬曰く、「蔡人は頑悖にして、上下の分を識らざること数十年なり。願わくは公、因りてこれに示し、朝廷の尊きを知らしめよ」と。度乃ちこれを受く。

現代語訳

節度使の李愬は、蔡州を平定すると、呉元済を枷にかけて都に送りました。兵を鞠場(広場)に駐屯させ、招討使の裴度を待ちました。裴度が城に入ると、李愬は武装して出迎え、道の左に拝礼しました。裴度は避けようとしました。李愬は言いました。「蔡の人々は頑固で道理に背き、上下の分をわきまえなくなって数十年になります。どうか公がこの機会に示して、朝廷の尊さを知らしめてください。」裴度はそこで拝礼を受けました。

解説

功績者である自分が上官に礼を尽くす姿を、周囲の民衆に見せることで、秩序を教えた話です。李愬は、戦功をあげた当事者でありながら、上官の裴度を道端で出迎えて拝礼しました。裴度が遠慮しようとしたとき、蔡の人々に上下の分と朝廷の尊さを知らしめるためだと説明しました。自分の功績を誇るのではなく、自分が頭を下げることで組織の秩序を示す演出です。現代の管理職も、成果を挙げた後に自ら敬意を示す姿勢は、チームに規範を伝え、上司との関係を円滑に保つ手段になります。目的を持った謙虚さの例です。

この章句が説くこと

拝於路左上下之分朝廷の尊さ謙虚秩序演出

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