武士訓 / 卷四・第15段
右四卷は。近世印行の俗訓。家道訓。童子訓。五常訓。及其他をしへをしるせる和字の書どもに。もれたることをとりひろいて。武士道のあらましを書のするものなり。此書のみをよみて。くはしからずといふことなかれ。
新字:右四巻は。近世印行の俗訓。家道訓。童子訓。五常訓。及其他をしへをしるせる和字の書どもに。もれたることをとりひろいて。武士道のあらましを書のするものなり。此書のみをよみて。くはしからずといふことなかれ。
書き下し
右四卷は。近世印行の俗訓。家道訓。童子訓。五常訓。及其他をしへをしるせる和字の書どもに。もれたることをとりひろいて。武士道のあらましを書のするものなり。此書のみをよみて。くはしからずといふことなかれ。
現代語訳
右の四巻は、近ごろ刊行された俗訓、家道訓、童子訓、五常訓、およびその他の教えを記した和字の書物に、漏れていることを取り広げて、武士道のあらましを書き記したものである。この書だけを読んで、詳しくないと言ってはならない。
解説
巻四の末に置かれた、ここまでの四巻についての断り書きです。世に出ている俗訓、家道訓、童子訓、五常訓などの和字の書に漏れたことを広く拾い、武士道のあらましをまとめたものだと、著者が自らの位置づけを述べます。この書だけを読んで詳しくないと言うな、と先に釘を刺す一文も付いています。この後の巻五は、武術の勝負の理に話が移ります。仕事の文書でも、何を扱い、何を扱わないかを冒頭で断っておくと、読む人に誠実です。マニュアルや引き継ぎ資料を作るときも、既にある資料の隙間を埋めるものだと範囲を明示する発想が役立ちます。
この章句が説くこと
あらまし範囲類書和字の書断り書き武士訓
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