導師導古典を学びたいすべての人に 法人向けワークシート法人向けワークシート

文子 / 上仁

老子曰:天地之氣,莫大於和,和者,陰陽調,日夜分,故萬物春分而生,秋分而成,生與成,必得和之精。故積陰不生,積陽不化,陰陽交接,乃能成和。是以聖人之道,寬而栗,嚴而溫,柔而直,猛而仁。夫太剛則折,太柔則卷,道正在於剛柔之間。夫繩之為度也,可卷而懷也,引而申之,可直而布也,長而不撗,短而不窮,直而不剛,故聖人體之。夫恩推即懦,懦即不威,嚴推即猛,猛即不和,愛推即縱,縱即不令,刑推即禍,禍即無親,是以貴和也。

新字:老子曰:天地之気,莫大於和,和者,陰陽調,日夜分,故万物春分而生,秋分而成,生与成,必得和之精。故積陰不生,積陽不化,陰陽交接,乃能成和。是以聖人之道,寛而栗,厳而温,柔而直,猛而仁。夫太剛則折,太柔則巻,道正在於剛柔之間。夫縄之為度也,可巻而懐也,引而申之,可直而布也,長而不撗,短而不窮,直而不剛,故聖人体之。夫恩推即懦,懦即不威,厳推即猛,猛即不和,愛推即縦,縦即不令,刑推即禍,禍即無親,是以貴和也。

書き下し

老子曰く、天地の気は、和より大なるは莫し。和とは、陰陽調い、日夜分かるるなり。故に万物は春分に生じ、秋分に成る。生と成とは、必ず和の精を得。故に積陰は生ぜず、積陽は化せず。陰陽交接して、乃ち能く和を成す。是を以て聖人の道は、寛にして栗、厳にして温、柔にして直、猛にして仁なり。夫れ太だ剛なれば則ち折れ、太だ柔なれば則ち巻く。道の正は剛柔の間に在り。夫れ縄の度を為すや、巻きて懐にす可く、引きて之を申ぶれば、直にして布く可し。長くして横ならず、短くして窮まらず、直にして剛ならず。故に聖人之を体す。夫れ恩推せば即ち懦、懦なれば即ち威あらず。厳推せば即ち猛、猛なれば即ち和せず。愛推せば即ち縦、縦なれば即ち令せず。刑推せば即ち禍、禍なれば即ち親無し。是を以て和を貴ぶなり。

現代語訳

老子は言った。天地の気で、和より大きいものはない。和とは、陰陽が調い、昼と夜が等分されることである。だから万物は春分に生じ、秋分に成る。生と成には、必ず和の精が得られる。だから陰が積もれば生じず、陽が積もれば化さない。陰陽が交わって、はじめて和が成る。それで聖人の道は、寛大でも慎みがあり、厳しくても温かく、柔らかでも真っすぐで、猛々しくても仁がある。あまりに剛なら折れ、あまりに柔なら巻いてしまう。道の正しさは剛と柔の間にある。縄というものは、巻けば懐に収められ、引き伸ばせば真っすぐに広げられる。長くても横にならず、短くても窮まらず、真っすぐでも剛ではない。だから聖人はこれを体している。恩を推し進めればひ弱になり、ひ弱になれば威がなくなる。厳しさを推し進めれば猛々しくなり、猛々しくなれば和さない。愛を推し進めれば放縦になり、放縦になれば令が行われない。刑を推し進めれば禍となり、禍となれば親しむ者がいなくなる。だから和を貴ぶのである。

解説

「寛にして栗、厳にして温、柔にして直、猛にして仁」と、相反する二つを同時に持つのが聖人の道だと言います。縄のたとえが巧みで、巻けば懐に入り、伸ばせば真っすぐに広がる、剛でも柔でもない形です。後半は反対側の失敗を並べます。恩を押せば懦になり威を失い、厳を押せば猛になり和を失い、愛を押せば放縦になり令が通らず、刑を押せば禍になり親しむ者がなくなる。優しさも厳しさも、片方だけ強めると必ず別の失敗が来る、という指摘です。

この章句が説くこと

寛にして栗厳にして温柔にして直猛にして仁道の正は剛柔の間に在り和を貴ぶ

関連する章句

古典の入門書『人生の教科書』の表紙

人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。

古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。

本の中身を見る
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)+師導1か月=700円 本を見る