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文子 / 上仁

老子曰:古者,明君取下有節,自養有度,必計歲而收,量民積聚,知有餘不足之數,然後取奉,如此,即得承所受於天地,而離於飢寒之患。其憯怛於民也,國有飢者,食不重味,民有寒者,冬不被裘,與民同苦樂,即天下無哀民。闇主即不然,取民不裁其力,求下不量其積,男女不得耕織之業,以供上求,力勤財盡,有旦無暮,君臣相疾。且人之為生也,一人蹠來而耕,不益十獁,中田之收不過四石,妻子老弱仰之而食,或時有災害之患,以供上求,即人主愍之矣。貪主暴君,涸漁其下,以適無極之欲,則百姓不被天和、履地德矣。

新字:老子曰:古者,明君取下有節,自養有度,必計歳而収,量民積聚,知有余不足之数,然後取奉,如此,即得承所受於天地,而離於飢寒之患。其憯怛於民也,国有飢者,食不重味,民有寒者,冬不被裘,与民同苦楽,即天下無哀民。闇主即不然,取民不裁其力,求下不量其積,男女不得耕織之業,以供上求,力勤財尽,有旦無暮,君臣相疾。且人之為生也,一人蹠来而耕,不益十獁,中田之収不過四石,妻子老弱仰之而食,或時有災害之患,以供上求,即人主愍之矣。貪主暴君,涸漁其下,以適無極之欲,則百姓不被天和、履地徳矣。

書き下し

老子曰く、古者、明君は下より取ること節有り、自ら養うこと度有り。必ず歳を計りて収め、民の積聚を量り、余り有ると不足との数を知り、然る後に取り奉ず。此の如くなれば、即ち天地に受くる所を承くるを得て、飢寒の患いを離る。其の民に憯怛なるや、国に飢うる者有れば、食は味を重ねず。民に寒き者有れば、冬は裘を被ず。民と苦楽を同じくすれば、即ち天下に哀しむ民無し。闇主は即ち然らず。民より取りて其の力を裁らず、下に求めて其の積を量らず、男女は耕織の業を得ず、以て上の求めに供す。力勤め財尽き、旦有りて暮無く、君臣相疾む。且つ人の生を為すや、一人蹠来して耕すも、十獁を益さず、中田の収めは四石に過ぎず。妻子老弱之を仰ぎて食らい、或いは時に災害の患い有り。以て上の求めに供すれば、即ち人主之を愍れむ。貪主暴君は、其の下を涸漁し、以て無極の欲に適う。則ち百姓は天和を被り地徳を履まざるなり。

現代語訳

老子は言った。古の明君は、民から取るのに節度があり、自分を養うのに限度があった。必ずその年の収穫を計り、民の貯えを量り、余りと不足の数を知ったうえで取り、奉仕させた。このようにすれば、天地から授かるものを受け継ぎ、飢えと寒さの患いを離れられる。民を痛み憐れむことについては、国に飢える者がいれば、食事に味を重ねず、民に寒がる者がいれば、冬に皮衣を着ない。民と苦楽を同じくすれば、天下に哀しむ民はいない。暗愚な君主はそうではない。民から取るのにその力を量らず、下に求めるのにその貯えを量らず、男女は耕すことも織ることもできずに上の求めに供する。力を尽くし財が尽き、朝があって夕べがなく、君臣は憎み合う。そもそも人が生きていくのに、一人が畑を耕しても、十頃を増すわけではなく、中程度の田の収穫は四石に過ぎない。妻子老弱はそれを仰いで食べ、時には災害に遭う。それでも上の求めに供するなら、君主はこれを憐れむ。貪欲で暴虐な君主は、下から汲み尽くして、際限のない欲に適おうとする。すると民は天の和を受け、地の徳を踏むことができなくなる。

解説

古の明君は、民の貯えと収穫の見込みを量ったうえで取る、と述べます。取る前に相手の余力を計るという手順が、この章句の中心です。「国に飢うる者有れば、食は味を重ねず」と、民と苦楽を共にする姿勢も示されます。反対に暗愚な君主は、相手の力を量らずに求め、「旦有りて暮無く」の状態に追い込みます。ノルマや予算を現場に課す際、その人の持ち時間と体力を見積もっているか。要求の前に相手の貯えを計る、という実務の基本が書かれています。

この章句が説くこと

取ること節有り民の積聚を量り民と苦楽を同じくすれば無極の欲負荷配慮

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