武家家訓集 / 毛利元就三子教訓状五龍宍戸家に嫁いだ娘のこと
一五龍之事、是又五もし所之儀、我々ふびんに存候條、三人共にひとへに〱此御心持にて、一代之間は三人同前之御存分ならては、於元就無曲恨み可申候〱、
新字:一五竜之事、是又五もし所之儀、我々ふびんに存候条、三人共にひとへに〱此御心持にて、一代之間は三人同前之御存分ならては、於元就無曲恨み可申候〱、
書き下し
一五龍之事、是又五もし所之儀、我々ふびんに存候條、三人共にひとへに〱此御心持にて、一代之間は三人同前之御存分ならては、於元就無曲恨み可申候〱、
現代語訳
五龍のことは、これもまた、五もし所(五龍のこと)の件で、私も不憫に思うので、三人ともにひとえにこの心持ちで、一代の間は三人と同じ扱いで思い通りに計らうのでなければ、元就は無礼を恨みに思うだろう。
解説
嫁いだ娘の五龍のことを、不憫に思うので、一代のあいだは三人と同じように扱えと頼む条です。五龍は宍戸家に嫁いだ娘として知られますが、本文の「五もし所」など字の怪しい箇所は取れる範囲で訳しました。家の結束を説く文書のなかに、娘への情が入っているのが特徴です。同じように扱えという求めは、家督や領地を持たない立場の者を、守る側に回って支える責任を、残る者に課しています。現代の組織でも、権限の弱い立場の人ほど、意図して配慮しなければ置き去りになる、という課題にあたります。
この章句が説くこと
配慮家族公平弱い立場情武家家訓集
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