呻吟語 / 内篇・應務・其の跡を泯す
恤其私、濟其願、成其名、泯其跡,體悉之至也,感人淪於心骨矣。故察言觀色者,學之粗也;達情會意者,學之精也。
新字:恤其私、済其願、成其名、泯其跡,体悉之至也,感人淪於心骨矣。故察言観色者,学之粗也;達情会意者,学之精也。
書き下し
其の私を恤へ、其の願ひを濟し、其の名を成し、其の跡を泯すは、體悉の至りなり。人を感ぜしむること心骨に淪む。故に言を察し色を觀るは、學の粗なり。情に達し意を會するは、學の精なり。
現代語訳
相手の私情を汲み、望みを叶え、名を立ててやり、しかもその跡を消す。これが汲み尽くすことの極みです。人を感じ入らせることが心と骨まで染み通ります。だから言葉を察し顔色を観るのは学問の粗いところで、情に達し意を会するのが学問の精しいところです。
解説
気配りの極みを四段で示します。私情を汲み、望みを叶え、名を立て、そして自分がしたという跡を消す。最後の一段が効いていて、恩を着せないところまで行って完成します。そして察言観色を粗い学だと格下げし、情と意まで届くのが精しい学だとする。人を読む技術に、上下の段が設けられた一段です。人を読む技術に、上下の段が設けられた一段です。
この章句が説くこと
配慮恩跡達情精粗
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