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文子 / 微明

老子曰:江河之大,溢不過三日,飄風暴雨,日中不出須臾止。德無所積而不憂者,亡其及也,夫憂者所以昌也,喜者所以亡也,故善者以弱為強,轉禍為福,道沖而用之又不滿也。

新字:老子曰:江河之大,溢不過三日,飄風暴雨,日中不出須臾止。徳無所積而不憂者,亡其及也,夫憂者所以昌也,喜者所以亡也,故善者以弱為強,転禍為福,道沖而用之又不満也。

書き下し

老子曰く、江河の大なる、溢るるも三日を過ぎず。飄風暴雨は、日中にも須臾に出でずして止む。徳積む所無くして憂えざる者は、其の及ぶを亡うなり。夫れ憂うる者は昌ゆる所以なり、喜ぶ者は亡ぶる所以なり。故に善き者は弱を以て強と為し、禍を転じて福と為す。道は沖にして之を用うれば又た満たざるなり。

現代語訳

老子は言った。大きな川も、あふれるのは三日を過ぎない。つむじ風や暴雨は、昼間でもしばらくすれば止む。徳を積むところがなく、それでいて憂えない者は、その禍が及ぶことを見失っている。そもそも憂える者は栄える理由を持ち、喜ぶ者は滅びる理由を持つ。だから善く行う者は、弱さを強さに変え、禍を転じて福とする。道は空っぽでありながら、用いてもなお満ちることがない。

解説

勢いの盛んなものは長続きしない、という観察から始まります。川の氾濫も暴風雨も、短い時間で収まるのが自然の理だと言います。そこから「夫れ憂うる者は昌ゆる所以なり、喜ぶ者は亡ぶる所以なり」と、不安を持つ人が栄え、浮かれる人が衰える、という人事へ移ります。好調な局面ほど、足元の小さな不安を点検する習慣が要ります。ここでの憂えるとは、悲観ではなく備えのことです。結びの「道は沖にして」は、満ちきらない余白が使い続けられる条件だという意味に読めます。

この章句が説くこと

夫れ憂うる者は昌ゆる所以なり喜ぶ者は亡ぶる所以なり禍を転じて福と為す備え柔弱盛衰

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