文子 / 上德
老子曰:主者,國之心也,心治則百節皆安,心擾即百節皆亂,故其身治者,支體相遺也,其國治者,君臣相忘也。
新字:老子曰:主者,国之心也,心治則百節皆安,心擾即百節皆乱,故其身治者,支体相遺也,其国治者,君臣相忘也。
書き下し
老子曰く、主なる者は、国の心なり。心治まれば則ち百節皆な安く、心擾るれば即ち百節皆な乱る。故に其の身治まる者は、支体相遺れ、其の国治まる者は、君臣相忘る。
現代語訳
老子は言った。君主とは、国の心である。心が治まれば体の節々はみな安らぎ、心が乱れれば節々はみな乱れる。だから、その身がよく治まっている者は、手足を意識しなくなり、その国がよく治まっている者は、君臣が互いの存在を忘れる。
解説
君主を国の心臓になぞらえ、身体と国家を重ねる短い段です。「心治まれば則ち百節皆な安く、心擾るれば即ち百節皆な乱る」。上に立つ人の心の状態が、末端まで行き渡るという見方です。注目すべきは結びで、よく治まった身は手足の存在を感じず、よく治まった国では君臣が互いを意識しなくなる。つまり、良い状態とは、統治が目立たないことだと言います。経営者が毎日現場に口を出さなくても回る状態こそ目標で、自分の存在を感じさせないことが、組織を治める技術の到達点とも読めます。
この章句が説くこと
主なる者は国の心なり心治まれば則ち百節皆な安く其の身治まる者は支体相遺れ君臣相忘る心無為
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