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文子 / 符言

老子曰:道者直己而待命,時之至不可迎而反也,時之去不可足而援也,故聖人不進而求,不退而讓,隨時三年,時去我走,去時三年,時在我後,無去無就,中立其所。天道無親,唯德是與,福之至非己之所求,故不伐其功,禍之來非己之所生,故不悔其行,中心其恬,不累其德,狗吠不驚,自信其情,誠無非分,故通道者不惑,知命者不憂。帝王之崩藏骸於野,其祭也祀之於明堂,神貴於形也,故神制形則從,形勝神則窮,聰明雖用,必反諸神,謂之大通。

新字:老子曰:道者直己而待命,時之至不可迎而反也,時之去不可足而援也,故聖人不進而求,不退而譲,随時三年,時去我走,去時三年,時在我後,無去無就,中立其所。天道無親,唯徳是与,福之至非己之所求,故不伐其功,禍之来非己之所生,故不悔其行,中心其恬,不累其徳,狗吠不驚,自信其情,誠無非分,故通道者不惑,知命者不憂。帝王之崩蔵骸於野,其祭也祀之於明堂,神貴於形也,故神制形則従,形勝神則窮,聰明雖用,必反諸神,謂之大通。

書き下し

老子曰く、道なる者は己を直くして命を待つ。時の至るは迎えて反す可からず、時の去るは足して援く可からず。故に聖人は進みて求めず、退きて譲らず、時に随うこと三年、時去れば我走り、時を去ること三年、時は我が後に在り。去ること無く就くこと無く、其の所に中立す。天道は親無し、唯だ徳をのみ是れ与す。福の至るは己の求むる所に非ず、故に其の功を伐らず、禍の来たるは己の生ずる所に非ず、故に其の行いを悔いず。中心其れ恬く、其の徳を累わさず、狗吠ゆれども驚かず、自ら其の情を信ず。誠に非分無し、故に道に通ずる者は惑わず、命を知る者は憂えず。帝王の崩ずるや骸を野に蔵め、其の祭るや之を明堂に祀る、神は形より貴きなり。故に神形を制すれば則ち従い、形神に勝てば則ち窮す。聡明用うと雖も、必ず諸を神に反す、之を大通と謂う。

現代語訳

老子は言う。道に従う者は、己を正して天命を待つ。時が至ったときは、迎えて引き返させることはできず、時が去るときは、足を継いで引き留めることはできない。だから聖人は、進んで求めず、退いて譲らず、時に随うこと三年、時が去れば自分は走り、時を去ること三年、時は自分の後ろにある。去ることもなく就くこともなく、その場所の中央に立つ。天道には親しみがなく、ただ徳のある者に与する。福が至るのは自分が求めたものではない、だからその功を誇らず、禍いが来るのは自分が生んだものではない、だからその行いを悔いない。心の内は安らかで、その徳を煩わせず、犬が吠えても驚かず、自らの実情を信じる。まことに分不相応がない、だから道に通じた者は惑わず、命を知る者は憂えない。帝王が亡くなると亡骸は野に葬られるが、その祭りは明堂で行われる。神は形より貴いからである。だから神が形を制すれば従い、形が神に勝てば行き詰まる。聡明を用いても、必ずそれを神に返す。これを大通という。

解説

時が至ったときも去るときも、人の力で変えられない、という前提から始まります。そこで聖人は、進んで求めもせず、退いて譲りもせず、「其の所に中立す」。時流に迎合せず、時流を拒みもしない位置取りです。「狗吠ゆれども驚かず、自ら其の情を信ず」は、周囲の騒ぎに揺れない信念の描写として印象的です。事業には時流があり、追い風も逆風も本人の力だけでは決まりません。そのなかで功を誇らず、悔いず、中央に立つ構えは、結果に一喜一憂しがちな経営者に落ち着きを与える見方です。

この章句が説くこと

時の至るは迎えて反す可からず其の所に中立す狗吠ゆれども驚かず時流中立天命

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