文子 / 符言
老子曰:治身養性者,節寢處,適飲食,和喜怒,便動靜,內在己者得,而邪氣無由入。飾其外,傷其內,扶其情者害其神,見其文者蔽其真,無須臾忘為賢者,必困其性,百步之中忘其為容者,必累其形,故羽翼美者傷其骸骨,枝葉茂者害其根荄,能兩美者天下無之。
新字:老子曰:治身養性者,節寝処,適飲食,和喜怒,便動静,内在己者得,而邪気無由入。飾其外,傷其内,扶其情者害其神,見其文者蔽其真,無須臾忘為賢者,必困其性,百歩之中忘其為容者,必累其形,故羽翼美者傷其骸骨,枝葉茂者害其根荄,能両美者天下無之。
書き下し
老子曰く、身を治め性を養う者は、寝処を節し、飲食を適にし、喜怒を和し、動静を便にす。内に己に在る者得て、邪気入る由無し。其の外を飾れば其の内を傷り、其の情を扶くる者は其の神を害し、其の文を見す者は其の真を蔽う。須臾も賢者為るを忘るる無き者は、必ず其の性に困しみ、百歩の中にも其の容為るを忘るる者は、必ず其の形を累わす。故に羽翼美しき者は其の骸骨を傷り、枝葉茂き者は其の根荄を害す。能く両つながら美なる者は天下に之れ無し。
現代語訳
老子は言う。身を治め性を養う者は、寝起きを節し、飲食をほどよくし、喜怒を和らげ、動くことと静かにすることを程よくする。内に自分にある気を得て、邪気が入る道がない。外を飾れば内を傷つけ、情を持ち上げれば神を害し、模様を見せれば真を覆う。ほんの少しの間でも賢者であることを忘れない者は、必ずその性に苦しみ、百歩のあいだでも姿を気にする者は、必ず身体に負担をかける。だから羽の美しい鳥はその骨を傷つけ、枝葉の茂った木はその根を害する。両方とも美しくあることのできる者は、天下にいない。
解説
外見を整えようとするほど内側が傷む、という指摘が中心です。「羽翼美しき者は其の骸骨を傷り、枝葉茂き者は其の根荄を害す」の二つの比喩は、外の美が内の負担になる関係をよく示しています。「須臾も賢者為るを忘るる無き者」は、常に有能で立派な人であり続けようとする人が、その性に苦しむと述べます。評価を意識して振る舞いを固めすぎる管理職には身に覚えがあるでしょう。前半の生活の節度に始まり、後半で見せ方の無理へ進む構成です。「両つながら美」はないという結論は、内を優先する理由を明快に示します。
この章句が説くこと
羽翼美しき者は其の骸骨を傷り枝葉茂き者は其の根荄を害す其の外を飾れば其の内を傷り能く両つながら美なる者は天下に之れ無し内外無理
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