文子 / 精誠
老子曰:懸法設賞而不能移風易俗者,誠心不抱,故聽其音則知其風,觀其樂即知其俗,見其俗即知其化。夫抱真效誠者,感動天地,神踰方外,令行禁止,誠通其道而達其意,雖無一言,天下萬民、禽獸、鬼神與之變化。故太上神化,其次使不得為非,其下賞賢而罰暴。
新字:老子曰:懸法設賞而不能移風易俗者,誠心不抱,故聴其音則知其風,観其楽即知其俗,見其俗即知其化。夫抱真効誠者,感動天地,神踰方外,令行禁止,誠通其道而達其意,雖無一言,天下万民、禽獣、鬼神与之変化。故太上神化,其次使不得為非,其下賞賢而罰暴。
書き下し
老子曰く、法を懸け賞を設けて風を移し俗を易うる能わざるは、誠心抱かざればなり。故に其の音を聴けば則ち其の風を知り、其の楽を観れば即ち其の俗を知り、其の俗を見れば即ち其の化を知る。夫れ真を抱き誠を効す者は、天地を感動せしめ、神は方外を踰え、令行われ禁止まる。誠其の道に通じて其の意に達すれば、一言無しと雖も、天下の万民、禽獣、鬼神之と与に変化す。故に太上は神化し、其の次は非を為すを得ざらしめ、其の下は賢を賞して暴を罰す。
現代語訳
老子は言った。法を掲げ賞を設けても風習を移し変えられないのは、誠の心を抱いていないからである。だからその音楽を聴けばその風を知り、その楽を観ればその俗を知り、その俗を見ればその感化の程度を知る。真を抱いて誠を尽くす者は、天地を感動させ、神は方外を越え、令は行われ禁は止まる。誠がその道に通じてその意に達すれば、一言なくても、天下の万民、鳥獣、鬼神までがともに変化する。だから最上の者は神のように感化し、その次は非を為させないようにし、その下は賢を賞して暴を罰する。
解説
統治を三段階に分ける有名な型が、最後に置かれています。最上は神のように感化する、次は悪を為せなくする、最下は賢を賞して暴を罰する。賞罰が最下位に置かれるのは、制度に頼る段階は誠が足りないからだ、という見方です。組織に置き換えると、評価と罰則で人を動かすのは最後の手段で、本当は風土そのものが人を整えるのが理想になります。「其の音を聴けば則ち其の風を知り」は、その職場の雰囲気は、日常の声や楽しみ方に表れてしまうという観察です。まず誠の側から整える必要があります。
この章句が説くこと
法を懸け賞を設けて風を移し俗を易うる能わざるは誠心抱かざればなり太上は神化し賞罰風土誠
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