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武訓 / 下・第27段

古人の出陣は、喪の禮を以て是を行ふ。軍の命下る日は、士皆なきて涙を流す。父母兄弟にわかれんことをかなしめばなり。戰をなすこと、必死の道なれば、かくのごとくすること、うべならずや。

新字:古人の出陣は、喪の礼を以て是を行ふ。軍の命下る日は、士皆なきて涙を流す。父母兄弟にわかれんことをかなしめばなり。戦をなすこと、必死の道なれば、かくのごとくすること、うべならずや。

書き下し

古人の出陣は、喪の禮を以て是を行ふ。軍の命下る日は、士皆なきて涙を流す。父母兄弟にわかれんことをかなしめばなり。戰をなすこと、必死の道なれば、かくのごとくすること、うべならずや。

現代語訳

古人の出陣は、喪の礼をもって行った。軍の命令が下る日には、士はみな泣いて涙を流した。父母兄弟と別れることを悲しんだからである。戦をすることは必死の道であるから、このようにするのは、もっともなことではないか。

解説

古人は出陣を喪の礼で行い、命令が下る日には士がみな泣いたという段です。益軒は、父母兄弟との別れを悲しんだからであり、戦が必死の道である以上は当然だと述べます。ここでは勇ましさよりも、死を覚悟する人の悲しみを正面から認める姿勢が目に付きます。文章は短く、その場面の様子は本文からは多く分かりません。現代の仕事に置けば、大きな異動や撤退、厳しい決断を人に求めるとき、その負担を軽く扱わず、痛みを認めたうえで進めることの大切さに通じます。決断を下す側が、受ける側の気持ちに目を向ける最初の一歩になります。

この章句が説くこと

出陣喪の礼覚悟別れ必死武訓

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