武訓 / 下・第13段
いにしへの、勇猛人にすぐれたる將、よく武功を立て、草創の業をなすといへども、智なければ、守文の功を成して、長くたもちて、子孫に傳ふることかたし。故に、武將は、智を先とす。勇は、其の次なり。
新字:いにしへの、勇猛人にすぐれたる将、よく武功を立て、草創の業をなすといへども、智なければ、守文の功を成して、長くたもちて、子孫に伝ふることかたし。故に、武将は、智を先とす。勇は、其の次なり。
書き下し
いにしへの、勇猛人にすぐれたる將、よく武功を立て、草創の業をなすといへども、智なければ、守文の功を成して、長くたもちて、子孫に傳ふることかたし。故に、武將は、智を先とす。勇は、其の次なり。
現代語訳
昔から、武勇が人にすぐれた将は、よく武功を立て、国の基を創る事業を成し遂げたとしても、智がなければ、それを守り治める功を成して長く保ち、子孫に伝えることは難しい。だから武将は智を先とする。勇はその次である。
解説
益軒は、創業の功を立てた武勇の将でも、智がなければ守り保つことができず、子孫に伝えるのは難しいと述べ、武将は智を先、勇を次とします。「草創」は国や家の基を始めて築くこと、「守文」はそれを治め保つことを指す語です。前の段までの兵を用いる話から、将の資質の順序へ話題が移る一文でもあります。勢いのある創業者が事業を軌道に乗せたあと、組織を長く続けられずに苦労する例は、現代の会社にも見られます。立ち上げの勇気と続けるための智は別のものだと知ることが、自分の強みを点検する手がかりになります。
この章句が説くこと
智勇創業守成武将武訓
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