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文武訓 / 武訓下

一勇者は外をあらくせず。荀子が、能く定つて後能く應ずといへるが如くなるべし。いふ意は、敵にむかひては、心をしづかに定めてうごかさずして、よく敵に勝つ。外に氣をうごかして、かるがるしくさわがしきは、內に敵に應ずべき根なし。人に勝ちがたし。

新字:一勇者は外をあらくせず。荀子が、能く定つて後能く応ずといへるが如くなるべし。いふ意は、敵にむかひては、心をしづかに定めてうごかさずして、よく敵に勝つ。外に気をうごかして、かるがるしくさわがしきは、内に敵に応ずべき根なし。人に勝ちがたし。

書き下し

一勇者は外をあらくせず。荀子が、能く定つて後能く応ずといへるが如くなるべし。いふ意は、敵にむかひては、心をしづかに定めてうごかさずして、よく敵に勝つ。外に気をうごかして、かるがるしくさわがしきは、内に敵に応ずべき根なし。人に勝ちがたし。

現代語訳

勇者は外見を荒々しくしません。荀子が「よく定まってこそ、よく応じられる」と言ったようであるべきです。その意味は、敵に向かっては心を静かに定めて動かさず、それでよく敵に勝つということです。外に気を動かして軽々しく騒がしい者は、内に敵に応じる根がありません。人に勝つことは難しいでしょう。

解説

『荀子』の「能く定まりて然る後に能く応ず」を引いて、本当の強さは内に静けさを持つことだと説きます。大声や威嚇で強く見せる人ほど、実は内側に拠り所がないというのです。益軒は、外見の勇ましさと内実の勇を区別しました。仕事の場でも、声を荒げる上司より、落ち着いて話を聞き判断する人のほうが信頼され、交渉でも強いものです。慌てず騒がず、まず自分の心を定めることが、相手に応じる力の根になるという教えです。

この章句が説くこと

勇静荀子落ち着き内面

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