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武訓 / 上・第28段

いにしへの良將は、只、勇猛計略のみすぐれたるにあらず。文武兼用ひ、寬猛相用ひ、仁愛ありて小過をゆるし、舊惡をわすれ、諫をよく聽き用ひて、おのれにほこらず、財をしまずして功を賞す。故に、士卒和同して、よく其の功をなせり。

新字:いにしへの良将は、只、勇猛計略のみすぐれたるにあらず。文武兼用ひ、寛猛相用ひ、仁愛ありて小過をゆるし、旧悪をわすれ、諫をよく聴き用ひて、おのれにほこらず、財をしまずして功を賞す。故に、士卒和同して、よく其の功をなせり。

書き下し

いにしへの良將は、只、勇猛計略のみすぐれたるにあらず。文武兼用ひ、寬猛相用ひ、仁愛ありて小過をゆるし、舊惡をわすれ、諫をよく聽き用ひて、おのれにほこらず、財をしまずして功を賞す。故に、士卒和同して、よく其の功をなせり。

現代語訳

昔の良将は、ただ勇猛や計略だけが優れていたのではありません。文と武を兼ね用い、寛と猛をあわせ用い、仁愛があって小さな過ちを許し、古い悪事を忘れ、諫めをよく聞き入れて、おのれを誇らず、財を惜しまずに功に報いました。だから、士卒が和合して、その功を成し遂げることができたのです。

解説

良将の条件を、勇猛や計略の外にまで広げて列挙した段です。文武を兼ねること、寛と猛を使い分けること、小過や古い悪事を許すこと、諫言を聞くこと、おごらないこと、財を惜しまず功に報いることが挙げられています。ここから、人を動かす力は、才能よりも器量と報い方に表れるという見方が読み取れます。いまの職場に引き寄せれば、部下の小さな失敗を引きずらず、意見を受け止め、成果にきちんと報いるということです。厳しさと寛容を状況で使い分けられるかどうかが、チームの和をつくります。

この章句が説くこと

良将寛猛諫言功に報いるチームの和武訓

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