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武訓 / 上・第22段

凡、朋友の交は、たがひに、禮をあつくうやまふべし。如斯なれば、あらそひ出來ず。あらそひは、必、無禮よりおこる。鬪論なからんことを議すると、甲陽軍鑑にしるせし、內藤修理が說、うべなり。

新字:凡、朋友の交は、たがひに、礼をあつくうやまふべし。如斯なれば、あらそひ出来ず。あらそひは、必、無礼よりおこる。闘論なからんことを議すると、甲陽軍鑑にしるせし、内藤修理が説、うべなり。

書き下し

凡、朋友の交は、たがひに、禮をあつくうやまふべし。如斯なれば、あらそひ出來ず。あらそひは、必、無禮よりおこる。鬪論なからんことを議すると、甲陽軍鑑にしるせし、內藤修理が說、うべなり。

現代語訳

およそ朋友の交わりは、互いに礼を厚くして敬うべきです。そうすれば、争いは起こりません。争いは、必ず無礼から起こります。闘論のないようにと議した、と甲陽軍鑑に記されている、内藤修理の説は、まことにもっともです。

解説

朋友の交わりは礼を厚くして敬うことで争いを防げる、争いは必ず無礼から起こる、という短い段です。最後に、甲陽軍鑑に記された内藤修理の説を引いて、その考えを裏づけます。内藤修理については、ここでは本文に出てくる名前以上のことは分かりません。注目したいのは、争いの原因を意見の違いではなく無礼に置いている点です。意見が違っても礼があれば議論は続けられますが、無礼があれば些細なことも争いに変わります。職場の対立も、内容そのものより、言い方や態度への不満から燃え広がることが多いものです。同僚や部下との間に、敬意の型を保つことが、衝突を減らす基本になります。

この章句が説くこと

礼敬意朋友争いの原因無礼武訓

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