武家家訓集 / 黒田如水教諭豊前入国の制法
如水豐前入國の制法 定 一主人親父に背く者可行罪科事。 一殺人及盜人強盜を明し又其企仕者あらば、可行罪科事。 一隱田吹ちがへ等仕者同前之事。 天正十五年七月日
新字:如水豊前入国の制法 定 一主人親父に背く者可行罪科事。 一殺人及盗人強盗を明し又其企仕者あらば、可行罪科事。 一隠田吹ちがへ等仕者同前之事。 天正十五年七月日
書き下し
如水豐前入國の制法 定 一主人親父に背く者可行罪科事。 一殺人及盜人強盜を明し又其企仕者あらば、可行罪科事。 一隱田吹ちがへ等仕者同前之事。 天正十五年七月日
現代語訳
如水が豊前に入国したときの制法。定め。一、主人や親に背く者は、罪科に処すべきこと。一、殺人、盗人、強盗を隠し、またそれを企てる者があれば、罪科に処すべきこと。一、隠し田や「吹ちがへ」(語の意味は取りにくい)などをする者も、同様とすること。天正十五年七月日。
解説
黒田如水が豊前に入った際の制法で、三か条のごく短い掟です。主人や親に背く者、殺人・盗人・強盗を隠し、あるいは企てる者、隠し田などをする者を、罪科に処すと定めています。ここまでの教訓とちがい、理屈の説明は一切なく、禁止事項と罰だけを記した法令の形です。日付は天正十五年(1587)七月と書かれます。新しい領地に入った統治者が最初に示す規則は、短く、明確で、守れるものでなければなりません。企業でも、新体制の最初に出す方針を、数が少なく具体的にすることが、人を動かす第一歩になります。
この章句が説くこと
制法掟ルールガバナンス不正防止武家家訓集
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