武家家訓集 / 武田信繁家訓九十九箇条第82〜84条
一千人自向敵、百人之橫入可然事、古語云、千人推門、一人不如授關、 一吾逢帥之模樣、不可雜談事、語云、擧差互、又古語云、毫釐有差、天地懸隔、 一兵法理方之秘術等、少々雖不知、知候樣持成不苦、心持數多在之事、古語曰、聞時九鼎重、見後一毫輕、
新字:一千人自向敵、百人之横入可然事、古語云、千人推門、一人不如授関、 一吾逢帥之模様、不可雑談事、語云、挙差互、又古語云、毫釐有差、天地懸隔、 一兵法理方之秘術等、少々雖不知、知候様持成不苦、心持数多在之事、古語曰、聞時九鼎重、見後一毫軽、
書き下し
一、千人自ら敵に向かい、百人の横入れ然るべき事。古語に云く、「千人門を推すは、一人の関を授くるに如かず」と。 一、吾帥に逢うの模様、雑談すべからざる事。語に云く、「挙ぐれば差い互う」。又古語に云く、「毫釐も差有れば、天地懸隔す」と。 一、兵法理方の秘術等、少々知らずといえども、知りたる様に持ち成して苦しからず、心持ち数多在る事。古語に曰く、「聞く時は九鼎重く、見て後は一毫軽し」と。
現代語訳
第一に、千人が正面から敵に向かうときは、百人の横合いからの攻撃が有効です。古語に「千人で門を押すより、一人が閂(かんぬき)を外すほうがよい」とあります。第二に、自分の大将に会う場面では、雑談をしてはなりません。「持ち上げれば食い違う」と云い、また古語に「わずかな差でも、天地ほどの隔たりになる」とあります(前の句は読みに自信がありません)。第三に、兵法の理論や秘術などは、少々知らなくても、知っているように振る舞って差し支えなく、心がけは数多くあります。古語に「聞いたときは九つの鼎のように重いが、見たあとでは毛一筋ほどに軽い」とあります。
解説
この章句が説くこと
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