武家家訓集 / 武田信繁家訓九十九箇条第13〜15条
一風流不可過之事、史記云、酒極則亂、樂極則悲、左傳云、宴安鴆毒不可思、又語曰、賢賢易色、 一對尋預方不可疎略事、論語曰、與朋友交、言不信哉、 一每事堪忍之二字可懸意事、古語云、胯下恥小辱也、成漢功大功也、又云、一期怒失其身、
新字:一風流不可過之事、史記云、酒極則乱、楽極則悲、左伝云、宴安鴆毒不可思、又語曰、賢賢易色、 一対尋預方不可疎略事、論語曰、与朋友交、言不信哉、 一毎事堪忍之二字可懸意事、古語云、胯下恥小辱也、成漢功大功也、又云、一期怒失其身、
書き下し
一、風流之を過ぐべからざる事。史記に云ふ、酒極まれば則ち亂れ、樂極まれば則ち悲しむ、と。左傳に云ふ、宴安は鴆毒なり、思ふべからず、と。又語に曰く、賢を賢として色に易ふ、と。 一、尋預方に對し疎略すべからざる事。論語に曰く、朋友と交はるに、言ひて信ならずや、と。 一、事ごとに堪忍の二字を意に懸くべき事。古語に云ふ、胯下の恥は小辱なり、漢の功を成すは大功なり、と。又云ふ、一期の怒りに其の身を失ふ、と。
現代語訳
一、風流事に、度を過ごしてはなりません。『史記』に「酒が極まれば乱れ、楽しみが極まれば悲しみに変わる」とあります。『左伝』に「安楽に宴を楽しむことは毒酒のようなものだ、思い込んではならない」とあります。また「賢を賢として、色欲に代える」ともあります。一、「尋預方」(訪ねてくる人や預かる相手の意と思われます)に対して、疎かにしてはなりません。『論語』に「友と交わって、言葉に誠実でなかったか」とあります。一、何事も「堪忍」の二字を心にかけておくことです。古語に「股くぐりの恥は小さな辱めであり、漢の功を成したのは大きな功である」とあります。また「一時の怒りで一生の身を失う」ともあります。
解説
この章句が説くこと
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