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武家家訓集 / 毛利元就三子教訓状幼い子どもたちのこと

一唯今虫けらのやうなる子ども候、かやうの者、もし〱此內かしらまたく成人候ずるは、心もちなどかたの如くにも候ずるをば、れんみん候て、何方之遠堺たとにも可被置候、又ひやうろく無力之者たそべきは、治定之事候間、さ樣の者をば、何とやうに被申付候共、はからひにて候〱、何共不存候〱、今日までの心持速に此分候、三人と五龍之事は、少もわるく御入候者、我々にたいし候ての御不幸迄候〱、更無別候〱、

新字:一唯今虫けらのやうなる子ども候、かやうの者、もし〱此内かしらまたく成人候ずるは、心もちなどかたの如くにも候ずるをば、れんみん候て、何方之遠堺たとにも可被置候、又ひやうろく無力之者たそべきは、治定之事候間、さ様の者をば、何とやうに被申付候共、はからひにて候〱、何共不存候〱、今日までの心持速に此分候、三人と五竜之事は、少もわるく御入候者、我々にたいし候ての御不幸迄候〱、更無別候〱、

書き下し

一唯今虫けらのやうなる子ども候、かやうの者、もし〱此內かしらまたく成人候ずるは、心もちなどかたの如くにも候ずるをば、れんみん候て、何方之遠堺たとにも可被置候、又ひやうろく無力之者たそべきは、治定之事候間、さ樣の者をば、何とやうに被申付候共、はからひにて候〱、何共不存候〱、今日までの心持速に此分候、三人と五龍之事は、少もわるく御入候者、我々にたいし候ての御不幸迄候〱、更無別候〱、

現代語訳

ただ今は虫けらのような子どもたちだが、もしこの中にまともに成長する者が出て、心がけなどが相応であるならば、憐れんで、どこかの遠い境にでも置いてやってほしい。また、ひょうろく(意味未詳)で力のない者が誰かになるのは確かなことだから、そのような者はどのように申し付けられても、お計らいである。何とも思わない。今日までの心持ちは、すぐにこのとおりである。三人と五龍のことは、少しでも悪くお思いになれば、我々に対してのご不幸までである。まったく別はない。

解説

まだ幼く、虫けらのようだと自ら言う子どもたちの扱いを述べた条です。成長して心がけが相応であれば憐れんで遠い境に置いてやってほしい、力のない者はどう処遇されても構わない、と、淡々と後事を託しています。三人と五龍を悪く扱うなら、それは自分への不幸にあたると結びます。底本は字が崩れた箇所も多く、「ひやうろく」などの語意は確かでないため、取れる範囲で訳しました。嫡流とそれ以外の子の処遇を事前に決めておくことは、後継争いを防ぐ点で現代の事業承継にも通じます。

この章句が説くこと

事業承継処遇後継争い託す身内武家家訓集

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