武家家訓集 / 北条早雲廿一箇条第7条
一出仕の時は申に及ず、或は少き煩所用在之、今日は宿所にあるべしとおもふとも、髪をはやくゆふべし、はふけたる體にて人々にみゆる事、虛外又つたなきこゝろ也、我身に由斷がちなれば、召仕ふ者までも其振舞程に嗜むべし、同たふの人の尋來るにも、とゝつきまはりて見ぐるしき事也、
新字:一出仕の時は申に及ず、或は少き煩所用在之、今日は宿所にあるべしとおもふとも、髪をはやくゆふべし、はふけたる体にて人々にみゆる事、虚外又つたなきこゝろ也、我身に由断がちなれば、召仕ふ者までも其振舞程に嗜むべし、同たふの人の尋来るにも、とゝつきまはりて見ぐるしき事也、
書き下し
一出仕の時は申に及ず、或は少き煩所用在之、今日は宿所にあるべしとおもふとも、髪をはやくゆふべし、はふけたる體にて人々にみゆる事、虛外又つたなきこゝろ也、我身に由斷がちなれば、召仕ふ者までも其振舞程に嗜むべし、同たふの人の尋來るにも、とゝつきまはりて見ぐるしき事也、
現代語訳
出仕のときはもちろん、ちょっとした病気や用事があって、今日は宿所にいようと思う日でも、髪は早く結いなさい。寝起きのままの姿で人々に会うのは、愚かでまた情けない心です。自分が油断がちだと、召し使う者までその振る舞いに倣います。同輩が訪ねて来たときも、あわてて取り繕うのは見苦しいことです。
解説
外出しない日でも、髪を早く整えなさいという条です。寝起きのままの姿を人にさらすのは、愚かで拙い心だと言います。理由は二つあり、一つは、自分が油断していれば召し使う者までその振る舞いにならうこと、もう一つは、同輩が訪ねてきたときに慌てて取り繕うのが見苦しいことです。出仕の有無にかかわらず、身だしなみの基準を落とさないという一貫性を求めています。在宅勤務やオンライン会議が増えた現代でも、人目のない日の自分の整え方が、チームの空気と、突然の来訪への備えとして表れるのです。
この章句が説くこと
身だしなみ一貫性油断見られている在宅武家家訓集
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