武家家訓集 / 北条早雲廿一箇条第8条
一出仕の時御前へ參るべからず、御次に祗候して、諸傍輩の體見つくろひ、さて御とをりへ罷出べし、さ樣になければ、むなつく事有べきなり、
新字:一出仕の時御前へ参るべからず、御次に祗候して、諸傍輩の体見つくろひ、さて御とをりへ罷出べし、さ様になければ、むなつく事有べきなり、
書き下し
一出仕の時御前へ參るべからず、御次に祗候して、諸傍輩の體見つくろひ、さて御とをりへ罷出べし、さ樣になければ、むなつく事有べきなり、
現代語訳
出仕したときは、いきなり御前に参ってはなりません。まず御次(控えの間)に控えて、同僚たちの様子を見計らい、そのうえで御通りへ出なさい。そうしなければ、胸がつかえるようなことが起こるでしょう。
解説
出仕して主君の前に出る前に、控えの間でひと呼吸おく段です。いきなり御前に参らず、御次に控えて同輩たちの様子を見て、そのうえで進み出よ、そうでなければ胸がつかえる(戸惑い、とまどう)ことが起こると言います。「むなつく」は胸がつまる、気後れする意と取れます。場の空気を読んでから臨むという段取りの勧めです。現代の仕事でも、会議や上司との面談の前に周囲の状況をつかんでから入るだけで、余計な衝突や準備不足を避けられます。状況を把握してから動くという基本を、控えの間という具体の場所で示した条です。
この章句が説くこと
状況把握段取り出仕場の空気準備武家家訓集
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