武家家訓集 / 北条早雲廿一箇条第6条
一刀衣裳、人のごとく結構に有べしと思ふべからず、ぐるしくなくばと心得て、なき物をかりもとめ、無力かさなりなば、他人のあざけり成べし、
書き下し
一刀衣裳、人のごとく結構に有べしと思ふべからず、ぐるしくなくばと心得て、なき物をかりもとめ、無力かさなりなば、他人のあざけり成べし、
現代語訳
刀や衣装を、他人のように立派にそろえようと思ってはなりません。支障がなければよいと心得なさい。ないものを借りたり求めたりして、無理が重なれば、他人の嘲りを受けることになります。
解説
身なりの見栄を戒める条です。刀や衣装を人並み以上に整えようと思わず、さしつかえがなければそれでよいとし、足りない物を借りてまで求めると、無理が重なって他人に笑われると言います。ここでいう無理は、借金や見栄の背伸びを含むものと読めます。武士にとって刀や衣装は格の表れでしたが、それでも分に合わない支出は戒められているのです。現代の経営者や管理職にも、見栄のための設備投資や接待、肩書を飾る出費が、結局は資金繰りの無理と評判の傷につながるという教訓になります。必要かどうかの基準を持つことが肝心です。
この章句が説くこと
見栄質素分相応背伸び倹約武家家訓集
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