武家家訓集 / 朝倉敏景十七箇条第十条
一無奉公の者と、奉公の族と、同塵蓋はれ候ては、奉公の人いかてかいさみ可有事、
書き下し
一、奉公無き者と、奉公の族と、塵を同じくして蓋はれ候ては、奉公の人いかでか勇み有るべき事、
現代語訳
奉公しない者と、奉公する者とが、同じ扱いで一括りに覆われてしまっては、奉公する人がどうして意気を上げることができようか。
解説
第十条は、働く者と働かない者が同じ扱いで一括りにされれば、働く者の士気は上がらないと指摘します。短い条ですが、人事評価と処遇の公正さについて、今も通じる問題をつかんでいます。「奉公」は主家への務めのことで、ここでは働きぶりの違いを区別せよという意味に読めます。第九条が人を見分ける目を述べたのに続き、見分けたあとの扱いに差をつけることまで求めています。現代の職場では、成果や貢献の差が給与や評価、昇進に反映されないとき、最も真面目な人から意欲が失われがちです。評価の差が、見える形になっているかが問われます。
この章句が説くこと
公正な評価士気処遇貢献ぶら下がり武家家訓集
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司馬法・用眾親に書するを絶つ、是れを顧みるを絶つの慮と謂う。
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孫子・作戦篇故に智将は敵に食するを務む。敵に食する一鍾は、吾が二十鍾に当たり、萁稈一石は、吾が二十石に当たる。
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尉繚子・兵教下今戦国相攻め、大いに有徳を伐つ。伍よりして両、両よりして師、其の令を一にせず、率ね民心をして定まらざらしめ、徒らに驕侈を尚び、謀患辨訟し、吏其の事を究め、累ねて且に敗れんとす。日暮れ路遠く、還るに剉気有り、師老い将貪り、争掠して敗れ易し。凡そ将軽く、塁卑く、衆動けば、攻むべきなり。将重く、塁高く、衆懼るれば、囲むべきなり。凡そ囲むには必ず其の小利を開き、漸く夷弱ならしむれば、則ち節吝して食はざる者有り。衆夜撃つ者は、驚くなり。衆事を避くる者は、離るるなり。人の救を待ち、戦を期して蹙まるは、皆心失はれて気傷るるなり。気を傷れば軍を敗り、曲謀は国を敗る。
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