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武家家訓集 / 朝倉敏景十七箇条第十条

一無奉公の者と、奉公の族と、同塵蓋はれ候ては、奉公の人いかてかいさみ可有事、

書き下し

一、奉公無き者と、奉公の族と、塵を同じくして蓋はれ候ては、奉公の人いかでか勇み有るべき事、

現代語訳

奉公しない者と、奉公する者とが、同じ扱いで一括りに覆われてしまっては、奉公する人がどうして意気を上げることができようか。

解説

第十条は、働く者と働かない者が同じ扱いで一括りにされれば、働く者の士気は上がらないと指摘します。短い条ですが、人事評価と処遇の公正さについて、今も通じる問題をつかんでいます。「奉公」は主家への務めのことで、ここでは働きぶりの違いを区別せよという意味に読めます。第九条が人を見分ける目を述べたのに続き、見分けたあとの扱いに差をつけることまで求めています。現代の職場では、成果や貢献の差が給与や評価、昇進に反映されないとき、最も真面目な人から意欲が失われがちです。評価の差が、見える形になっているかが問われます。

この章句が説くこと

公正な評価士気処遇貢献ぶら下がり武家家訓集

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