導師導古典を学びたいすべての人に 法人向けワークシート法人向けワークシート

武人訓抄録 / 才なきを学で補う

一世俗各おもへり、吾性穎敏才幹にあらず、たとひ止戈の講習を好むで、旦夕此に浴したりとも、卒に其理を窮め其事を竭す事不可能と也、是僅に聰明の德可貴事をしりて、學問の功聰明に、千萬倍なる事を知ざる愚昧の言なり、徒らに聰明人に如ざる事を患とせんよりは、みづから爲學の功、精を抽ずべき事をおもふべし、泰山の霤石を穿、殫極の綆幹を斷事あり、又古今の世諺にも、勤れば貧に勝、愼めば災に勝、學べば蒙に勝といへり、此言學問の法に大に益あり、唯寸陰を惜みて、誠精を勵すに勝べき蒙はあらじ、

新字:一世俗各おもへり、吾性穎敏才幹にあらず、たとひ止戈の講習を好むで、旦夕此に浴したりとも、卒に其理を窮め其事を竭す事不可能と也、是僅に聰明の徳可貴事をしりて、学問の功聰明に、千万倍なる事を知ざる愚昧の言なり、徒らに聰明人に如ざる事を患とせんよりは、みづから為学の功、精を抽ずべき事をおもふべし、泰山の霤石を穿、殫極の綆幹を断事あり、又古今の世諺にも、勤れば貧に勝、慎めば災に勝、学べば蒙に勝といへり、此言学問の法に大に益あり、唯寸陰を惜みて、誠精を励すに勝べき蒙はあらじ、

書き下し

一世俗各おもへり、吾性穎敏才幹にあらず、たとひ止戈の講習を好むで、旦夕此に浴したりとも、卒に其理を窮め其事を竭す事不可能と也、是僅に聰明の德可貴事をしりて、學問の功聰明に、千萬倍なる事を知ざる愚昧の言なり、徒らに聰明人に如ざる事を患とせんよりは、みづから爲學の功、精を抽ずべき事をおもふべし、泰山の霤石を穿、殫極の綆幹を斷事あり、又古今の世諺にも、勤れば貧に勝、愼めば災に勝、學べば蒙に勝といへり、此言學問の法に大に益あり、唯寸陰を惜みて、誠精を勵すに勝べき蒙はあらじ、

現代語訳

世間の人はそれぞれ思っています。自分の性質は鋭敏でも有能でもない。たとえ戈を止める学びを好んで、朝晩これに浸ったところで、結局その理を窮め、その事を尽くすことはできないだろうと。これはわずかに聡明の徳の尊さを知るだけで、学問の功が聡明より千万倍も大きいことを知らない愚昧の言です。むなしく聡明な人に及ばないことを憂えるより、自ら学びの功に精を出すことを考えなさい。泰山の雨だれも石に穴をあけ、井戸の長い縄も井桁を断つことがあります。また古今の世のことわざにも、勤めれば貧に勝ち、慎めば災いに勝ち、学べば蒙に勝つといいます。この言葉は学問の法に大いに益があります。ただ寸陰を惜しんで誠を尽くし精を励ませば、勝てない蒙昧はありません。

解説

自分は頭が良くないから学んでも無駄だと言う人に、学問の功は生まれつきの聡明に勝ると返す章です。雨だれが石を穿つ譬えと、勤めれば貧に勝ち、学べば蒙に勝つという諺を引き、積み重ねの力を説きます。現代の職場でも、自分は向いていないと早く結論を出す人がいます。管理職は、才能の評価より継続の仕組みを整え、少しずつの積み上げを称えることで、部下の可能性を引き出せます。まず自分が毎日の短い学びを続ける姿を見せることも大切です。

この章句が説くこと

学問聡明継続雨だれ石を穿つ寸陰勤学

関連する章句

『人生の方程式』の表紙

人生を、一行の式にしてみた。

志×積×時×憤÷(1+執)+命。古典から導いた式『人生の方程式』と、二十四の悩みに古典が答える『人生の教科書』(PDF)、師導の全機能1か月がセットで700円です。

本の中身を見る
本2冊(人生の方程式・人生の教科書)+師導1か月=700円本を見る