武学啓蒙 / 附・士家心得・士家心得の目次:農工商の上に立つ務め
舊、此下に、大人、先志を、繼述せし、勝場關心の部、數十條あり、是、士の職の精煉、容易ならず、常に無虞をも、警戒すると云ことを、忘る、なからしめんとなり、今同志の、すゝめにより、上文と、同じく、世に、ひろめんと乞ども、大人、かたく許さずして日、師家、口傳の例には、あらざれども、吾少しく、慮る所ありと、故に强請ことあたわず、姑らく同好の士のため、其目次を寫し、質問に便するもの、左の如し、男靖 大吉郎謹題一凡そ、士たるもの、所謂、農、工、商、三寶の上に、たつなれば、居恒、此三段の意用、及び不時土寇等の、品によるの、手あてを、知べきこと、(その心得を、とくものは、皆のせず、目ばかりなり、下これに、ならへ、)一勝場心得につき、熟讀工夫すべき、書籍類、幷に勝場の事義、かねて、老功に、質し問べき條々、及び、武藝、諸流派、傳承、考のこと、一武門の子弟、幼年より、先例ある、高名、不覺の沙汰、大畧を、了知すべきこと、一主君、及び、高貴に侍坐する士、かね〱、用心と云、作法あることを、知べきこと、一武具の諸名目、幼年より、晴に記ゆる捷徑、幷に勝場行列の大畧を、知ること、一逮捕につき、用具品々、幷に、人により、所による、禮法、差略のこと、一戸入につき、種々の用心、諸用具、幷に、夜の業の心がけ、作法のこと、一はなしうち、君命の時の心得、幷に、はなしうち、一二と云義のこと、一弓砲を、逮捕に、用る法、及び、水矢、水底、かたものに、射術あること、一諸武器、制品の利害、及び、身のまわりの精粗、早着、早業と云、かんべんのこと、一側近き諸士、及び、馬まわりの諸隊等、常、非常、心がけのこと、一物見、大小の別、及び、物見、使番の働、諸命令、往復の作法、時處の、考のこと、一水煉のけいこ、幷に、浮沓、浮腹卷等、諸水具の制、及帶やう、かんべんのこと、
新字:旧、此下に、大人、先志を、継述せし、勝場関心の部、数十条あり、是、士の職の精煉、容易ならず、常に無虞をも、警戒すると云ことを、忘る、なからしめんとなり、今同志の、すゝめにより、上文と、同じく、世に、ひろめんと乞ども、大人、かたく許さずして日、師家、口伝の例には、あらざれども、吾少しく、慮る所ありと、故に強請ことあたわず、姑らく同好の士のため、其目次を写し、質問に便するもの、左の如し、男靖 大吉郎謹題一凡そ、士たるもの、所謂、農、工、商、三宝の上に、たつなれば、居恒、此三段の意用、及び不時土寇等の、品によるの、手あてを、知べきこと、(その心得を、とくものは、皆のせず、目ばかりなり、下これに、ならへ、)一勝場心得につき、熟読工夫すべき、書籍類、幷に勝場の事義、かねて、老功に、質し問べき条々、及び、武芸、諸流派、伝承、考のこと、一武門の子弟、幼年より、先例ある、高名、不覚の沙汰、大略を、了知すべきこと、一主君、及び、高貴に侍坐する士、かね〱、用心と云、作法あることを、知べきこと、一武具の諸名目、幼年より、晴に記ゆる捷径、幷に勝場行列の大略を、知ること、一逮捕につき、用具品々、幷に、人により、所による、礼法、差略のこと、一戸入につき、種々の用心、諸用具、幷に、夜の業の心がけ、作法のこと、一はなしうち、君命の時の心得、幷に、はなしうち、一二と云義のこと、一弓砲を、逮捕に、用る法、及び、水矢、水底、かたものに、射術あること、一諸武器、制品の利害、及び、身のまわりの精粗、早着、早業と云、かんべんのこと、一側近き諸士、及び、馬まわりの諸隊等、常、非常、心がけのこと、一物見、大小の別、及び、物見、使番の働、諸命令、往復の作法、時処の、考のこと、一水煉のけいこ、幷に、浮沓、浮腹巻等、諸水具の制、及帯やう、かんべんのこと、
書き下し
舊、此下に、大人、先志を、繼述せし、勝場關心の部、數十條あり、是、士の職の精煉、容易ならず、常に無虞をも、警戒すると云ことを、忘る、なからしめんとなり、今同志の、すゝめにより、上文と、同じく、世に、ひろめんと乞ども、大人、かたく許さずして日、師家、口傳の例には、あらざれども、吾少しく、慮る所ありと、故に强請ことあたわず、姑らく同好の士のため、其目次を寫し、質問に便するもの、左の如し、男靖 大吉郎謹題一凡そ、士たるもの、所謂、農、工、商、三寶の上に、たつなれば、居恒、此三段の意用、及び不時土寇等の、品によるの、手あてを、知べきこと、(その心得を、とくものは、皆のせず、目ばかりなり、下これに、ならへ、)一勝場心得につき、熟讀工夫すべき、書籍類、幷に勝場の事義、かねて、老功に、質し問べき條々、及び、武藝、諸流派、傳承、考のこと、一武門の子弟、幼年より、先例ある、高名、不覺の沙汰、大畧を、了知すべきこと、一主君、及び、高貴に侍坐する士、かね〱、用心と云、作法あることを、知べきこと、一武具の諸名目、幼年より、晴に記ゆる捷徑、幷に勝場行列の大畧を、知ること、一逮捕につき、用具品々、幷に、人により、所による、禮法、差略のこと、一戸入につき、種々の用心、諸用具、幷に、夜の業の心がけ、作法のこと、一はなしうち、君命の時の心得、幷に、はなしうち、一二と云義のこと、一弓砲を、逮捕に、用る法、及び、水矢、水底、かたものに、射術あること、一諸武器、制品の利害、及び、身のまわりの精粗、早着、早業と云、かんべんのこと、一側近き諸士、及び、馬まわりの諸隊等、常、非常、心がけのこと、一物見、大小の別、及び、物見、使番の働、諸命令、往復の作法、時處の、考のこと、一水煉のけいこ、幷に、浮沓、浮腹卷等、諸水具の制、及帶やう、かんべんのこと、
現代語訳
旧本には、この下に、父上が先人の志を継ぎ述べた「勝場関心」の部が数十条ありました。これは、士の職の精錬が容易でなく、常に無虞(何事もないとき)をも警戒することを忘れさせないためです。今、同志のすすめにより、上の文と同じく世に広めたいと乞いましたが、父上はかたくお許しにならず、おっしゃるには、師家の口伝の例ではないが、私に少し考えるところがある、と。そのため無理に請うことはできません。しばらく同好の士のために、その目次を写し、質問に便宜となるようにしたのが、左のとおりです。男の靖、大吉郎が謹んで題す。一、およそ士たる者は、いわゆる農・工・商の三宝の上に立つのだから、日ごろ、この三段の意用(はたらき)、および不時の土寇(土着の賊)などの種類に応じた手当てを知るべきこと。(その心得を説くものはみな載せず、目だけです。以下これにならいます。)一、勝場の心得について、熟読して工夫すべき書籍類、ならびに勝場の事柄で、あらかじめ経験豊かな者に質問すべき条々、および武芸の諸流派の伝承の考証のこと。一、武門の子弟は、幼年から先例のある高名・不覚の沙汰の大略を理解すべきこと。一、主君や高貴な方に侍坐する士が、日ごろの用心という作法のあることを知るべきこと。一、武具の諸名目を幼年から晴れの場で覚える近道、ならびに勝場行列の大略を知ること。一、逮捕について、用具の品々、ならびに人により所による礼法・差略のこと。一、戸入り(屋内への踏み込み)について、種々の用心、諸用具、ならびに夜の業の心がけ・作法のこと。一、はなしうち、君命のときの心得、ならびにはなしうち、一二という義のこと。一、弓砲を逮捕に用いる法、および水矢、水底、かたものに射術があること。一、諸武器・制品の利害、および身のまわりの精粗、早着、早業という簡便のこと。一、側近くの諸士、および馬まわりの諸隊などの、常・非常の心がけのこと。一、物見の大小の別、および物見・使番の働き、諸命令の往復の作法、時と所の考えのこと。一、水練の稽古、ならびに浮沓、浮腹巻など諸水具の制、および帯び方、簡便のこと。
解説

人生を、一行の式にしてみた。
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