武治提要 / 講武・第4段
本朝往古の講武、益し騎射を以て主となせるか、犬追物笠掛等後世に因循せり。當時戰法に於て大益なしといへども、亦武家の古實と稱するもの也。衆情をはげますにたれり。用捨將の心にあるべし。
新字:本朝往古の講武、益し騎射を以て主となせるか、犬追物笠掛等後世に因循せり。当時戦法に於て大益なしといへども、亦武家の古実と称するもの也。衆情をはげますにたれり。用捨将の心にあるべし。
書き下し
本朝往古の講武、益し騎射を以て主となせるか、犬追物笠掛等後世に因循せり。當時戰法に於て大益なしといへども、亦武家の古實と稱するもの也。衆情をはげますにたれり。用捨將の心にあるべし。
現代語訳
本朝の昔の講武は、おそらく馬に乗って弓を射ることを主としていたのでしょう。犬追物や笠懸などが、後の世にも慣習として残っています。今の戦い方では大きな益はないとしても、武家の古い実例と称するものです。人々の気持ちを奮い立たせるには十分です。取捨は将の心にあるべきです。
解説
この段は、すでに実戦では役に立たない古い武芸の行事を、どう扱うかを述べています。結論は、益は大きくないが、古い実例として人々の気持ちを励ますには足りるので、取捨は将の判断に委ねるという柔らかいものです。企業でも、創業期から続く儀式や行事が、実務には役立たなくなることがあります。それでも、一体感や誇りの源になる場合があります。続けるか止めるかを、実益だけでなく、人の気持ちへの効き目も含めて判断する姿勢が、管理職に求められます。
この章句が説くこと
講武騎射古実士気取捨武治提要
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