武治提要 / 民政・第11段
貨財は農に生じて、士に入、士より出て工商に至り、以て天下に行はる。聚斂の疾あらずして、而も天下の府庫富ものは、天下の大幸にして、これ武將の儉德なり。出納を詳にして、其法を明にせずんばあるべからず。
新字:貨財は農に生じて、士に入、士より出て工商に至り、以て天下に行はる。聚斂の疾あらずして、而も天下の府庫富ものは、天下の大幸にして、これ武将の倹徳なり。出納を詳にして、其法を明にせずんばあるべからず。
書き下し
貨財は農に生じて、士に入、士より出て工商に至り、以て天下に行はる。聚斂の疾あらずして、而も天下の府庫富ものは、天下の大幸にして、これ武將の儉德なり。出納を詳にして、其法を明にせずんばあるべからず。
現代語訳
財貨は農に生じて、士に入り、士から出て工商に至り、そうして天下に行きわたります。取り立てがひどいという害がなく、しかも天下の蔵が豊かになるのは、天下の大きな幸いであり、これは武将の倹約の徳によるものです。出し入れを詳しくして、その法を明らかにしなければなりません。
解説
この段は、財貨が農から士、工商へと巡る流れを示し、取り立てを重くせずに蔵が満ちるのは、上に立つ者の倹約によると述べています。注目すべきは、出納を詳しくして法を明らかにせよという点です。倹約と透明性がセットで語られています。組織でも、予算を締めるだけでは信頼は得られず、使途と基準が見えてこそ、現場は納得して協力します。管理職は、削減の号令より先に、お金の流れを誰にでも説明できる状態に整える必要があります。
この章句が説くこと
財貨出納倹徳聚斂透明性武治提要
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