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武治提要 / 民政・第5段

饑饉、大疫、洪水のごとき、民政の大變なり。豫め其設あらずんば、大に武德を損するの害に至るべし。武將平日儉德なくんば、爰に至て其禍をまぬかるべからず。

新字:饑饉、大疫、洪水のごとき、民政の大変なり。予め其設あらずんば、大に武徳を損するの害に至るべし。武将平日倹徳なくんば、爰に至て其禍をまぬかるべからず。

書き下し

饑饉、大疫、洪水のごとき、民政の大變なり。豫め其設あらずんば、大に武德を損するの害に至るべし。武將平日儉德なくんば、爰に至て其禍をまぬかるべからず。

現代語訳

飢饉、大きな疫病、洪水のようなものは、民政における大変事です。あらかじめ備えがなければ、大いに武徳を損なうという害に至ります。武将が平生から倹約の徳を持っていなければ、こうした事態に至って、その災いを免れることはできません。

解説

この段は短いながら、非常時への備えは平時の倹約から始まるという筋を示しています。災害そのものより、備えがない状態が武徳を損なうという点に重心があります。いまの組織に置き換えれば、業績悪化や突発的なトラブルに耐えられるかは、平時の余裕で決まります。好調なときに使い切る経営は、危機で信頼まで失います。管理職も、自部署の予備の時間や人員を、普段から少し残しておくことが問われます。

この章句が説くこと

飢饉備え倹徳非常時武徳武治提要

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