武治提要 / 立規制・第3段
規制の本、事物の明辨にあり。事物明辨の極に至るときは、期せずして其事物より規制を呈露し來る、これ法則の至れるものなり。これを取て法則となすときは、百世以て變ずべからず。かれいまで呈露せずして、吾より作爲するときは、其規制天下古今の模範となすにたらず。
新字:規制の本、事物の明弁にあり。事物明弁の極に至るときは、期せずして其事物より規制を呈露し来る、これ法則の至れるものなり。これを取て法則となすときは、百世以て変ずべからず。かれいまで呈露せずして、吾より作為するときは、其規制天下古今の模範となすにたらず。
書き下し
規制の本、事物の明辨にあり。事物明辨の極に至るときは、期せずして其事物より規制を呈露し來る、これ法則の至れるものなり。これを取て法則となすときは、百世以て變ずべからず。かれいまで呈露せずして、吾より作爲するときは、其規制天下古今の模範となすにたらず。
現代語訳
規制の根本は、事物を明らかに見分けることにある。事物の見分けが極まれば、期せずして、その事物のほうから規制が現れ出る。これが法則の最も優れたものである。これを取って法則とすれば、百代にわたって変わらない。まだ現れ出ていないのに、自分から作り出すなら、その規制は天下古今の模範とするには足りない。
解説
よい規則は、頭で考え出すものではなく、事物を見極める中から自然に現れ出るものだ、と述べる段です。事物の明辨が極まれば、期せずして規制が現れるので、それを取って法則とすれば百代まで変わらないとします。まだ現れていないのに自分から作為すれば、天下古今の模範にはならないという戒めです。いまの仕事でも、現場で繰り返し起きる問題や、うまくいっているやり方を丁寧に観察し、その中から手順や基準をまとめるほうが、机上で作った規則より定着します。新しい制度を作る前に、まず実際の事物をよく見て、そこから決まりを導く姿勢は、現代の業務改善にも役立ちます。
この章句が説くこと
規制事物の明弁観察法則作為現場
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