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武治提要 / 正職役・第4段

武門の職役、常世の情のみを以てするときは、其武者分全からず。全からざるときは、戰法亦從て正しからず。凡武者分は備の形を定の本なり。故に武者分定て、而後に備の形定り、備の形定て、而後に戰法亦定る。武者分を定の法則は備の情を知にあり、備の情を知ことは勝負の道を知にあり、勝負の道を知ことはこれを盡にあり。

新字:武門の職役、常世の情のみを以てするときは、其武者分全からず。全からざるときは、戦法亦従て正しからず。凡武者分は備の形を定の本なり。故に武者分定て、而後に備の形定り、備の形定て、而後に戦法亦定る。武者分を定の法則は備の情を知にあり、備の情を知ことは勝負の道を知にあり、勝負の道を知ことはこれを尽にあり。

書き下し

武門の職役、常世の情のみを以てするときは、其武者分全からず。全からざるときは、戰法亦從て正しからず。凡武者分は備の形を定の本なり。故に武者分定て、而後に備の形定り、備の形定て、而後に戰法亦定る。武者分を定の法則は備の情を知にあり、備の情を知ことは勝負の道を知にあり、勝負の道を知ことはこれを盡にあり。

現代語訳

武門の職役を、平常の世の事情だけで定めるなら、その武者分は全きものにならない。全きものにならなければ、戦法もそれに従って正しくならない。およそ武者分は、備の形を定める本である。だから武者分が定まって、その後に備の形が定まり、備の形が定まって、その後に戦法も定まる。武者分を定める法は、備の情を知ることにあり、備の情を知ることは、勝負の道を知ることにあり、勝負の道を知ることは、これを尽くすことにある。

解説

武門の役割分担は、平時の感覚だけで決めてはいけないと説く段です。武者分、備の形、戦法の順に決まっていくという順序が示されます。つまり、役割の割り振りが先にあり、陣形が決まり、その後に戦い方が定まる、という流れです。割り振りの基準は、戦いの勝負の道を突き詰めることから出てきます。いまの仕事で言えば、戦略や戦い方が先にあるのではなく、役割と配置の設計が戦い方を決めるということです。平時の慣習で組んだ体制のままでは、いざ競争の局面で力が出ません。勝負どころを想定して、役割から見直す発想が求められます。

この章句が説くこと

武者分備役割分担戦法順序勝負

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