武治提要 / 正職役・第3段
一職に或は二人を置、或は三五人を置、或は數十人に及、皆これ職事の大小綱目に依て其多寡をなす。而して同職の人品其つり合を明にすること要務なり。人の全德あること世尤も稀なり。故に其器の長ずる處を詳にし、彼此を相併て、其德用全きに近からしむべし。
新字:一職に或は二人を置、或は三五人を置、或は数十人に及、皆これ職事の大小綱目に依て其多寡をなす。而して同職の人品其つり合を明にすること要務なり。人の全徳あること世尤も稀なり。故に其器の長ずる処を詳にし、彼此を相併て、其徳用全きに近からしむべし。
書き下し
一職に或は二人を置、或は三五人を置、或は數十人に及、皆これ職事の大小綱目に依て其多寡をなす。而して同職の人品其つり合を明にすること要務なり。人の全德あること世尤も稀なり。故に其器の長ずる處を詳にし、彼此を相併て、其德用全きに近からしむべし。
現代語訳
一つの職に、二人を置くこともあり、三人から五人を置くこともあり、数十人に及ぶこともある。これはみな、職の事の大小や綱目によってその多少を決める。そして同じ職の人どうしの人品のつり合いを明らかにすることが、肝心である。全ての徳をそなえた人は世にきわめて稀である。だから、その器の長じている点を詳しく見極め、あれとこれを併せることで、その徳の用を全きものに近づけるべきである。
解説
同じ職に何人置くかは、仕事の大きさに応じて決めよ、という実務的な段です。そのうえで、複数の人を置く場合は人品のつり合いを明らかにせよと言います。全徳を備えた人はいないので、各人の長所を見極めて、足し合わせることで全きものに近づけるという考え方です。一人で完璧を目指さず、組み合わせで補うという発想は、いまのチーム編成にもそのまま使えます。慎重な人と行動の速い人、数字に強い人と対人に強い人を組ませれば、互いの穴を埋められます。人を選ぶ際に、個人の優劣だけでなく、並べたときの相性を見る視点を持つことが大切です。
この章句が説くこと
チーム編成長所つり合い補完人品適材
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