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武治提要 / 擧人・第1段

擧人とは卑を擧て尊に任ずるの義なり。中るときは其益甚多く、中らざるときは其害甚多し。君臣ともに等閑の器にては適ふべからず、先蹤尤も多し。

新字:挙人とは卑を挙て尊に任ずるの義なり。中るときは其益甚多く、中らざるときは其害甚多し。君臣ともに等閑の器にては適ふべからず、先蹤尤も多し。

書き下し

擧人とは卑を擧て尊に任ずるの義なり。中るときは其益甚多く、中らざるときは其害甚多し。君臣ともに等閑の器にては適ふべからず、先蹤尤も多し。

現代語訳

挙人とは、低い位の者を挙げて、高い職に任じるという意味である。適切であればその益は非常に多く、適切でなければその害も非常に多い。君も臣も、いい加減な器量では務まらない。先例も最も多い。

解説

知人の次に置かれた、挙人の定義の段です。低い位の者を高い職に就けるという抜擢のことで、当たれば益が大きく、外れれば害も大きいと言います。そのため、任せる君主も、補佐する臣も、いい加減な器量ではいけないと戒めます。文の最後に、先例も多いと添えているのは、抜擢が特別な話ではなかったことを示すものでしょう。この段は短い導入で、詳しくは次の段以降に続きます。いまの組織でも、若手や現場の人材を思い切って登用する機会があります。成功すれば組織が活気づきますが、失敗すれば本人にも周囲にも傷が残るので、軽い気持ちでは決められません。

この章句が説くこと

挙人抜擢任用責任先例登用

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