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武治提要 / 知人・第13段

武將戰國にあつては用間を大義とす。其內反間を知こと、明智にあらずんば叶べからず。治世の人情は伏すること密ならず、故に知こと猶易し、たとへ見料を一たびあやまつとも、あらたむべし。反間は伏する處幽微婉曲にして、一たびもあやまつときは、あらたむること不叶、死生存亡の要楔なり。これを明辨すること、感通默識にあり。

新字:武将戦国にあつては用間を大義とす。其内反間を知こと、明智にあらずんば叶べからず。治世の人情は伏すること密ならず、故に知こと猶易し、たとへ見料を一たびあやまつとも、あらたむべし。反間は伏する処幽微婉曲にして、一たびもあやまつときは、あらたむること不叶、死生存亡の要楔なり。これを明弁すること、感通黙識にあり。

書き下し

武將戰國にあつては用間を大義とす。其內反間を知こと、明智にあらずんば叶べからず。治世の人情は伏すること密ならず、故に知こと猶易し、たとへ見料を一たびあやまつとも、あらたむべし。反間は伏する處幽微婉曲にして、一たびもあやまつときは、あらたむること不叶、死生存亡の要楔なり。これを明辨すること、感通默識にあり。

現代語訳

武将は戦国にあっては、間者を用いることを大義とする。そのなかで反間を知ることは、明智でなければできない。治まる世の人情は、潜ませることが密でないので、知ることもなお易しい。たとえ見料を一度誤っても、改めることができる。反間は潜む所が幽微で婉曲であり、一度でも誤れば改めることができない。生死存亡の要となる所である。これをはっきり見分けることは、感じ通じ、黙って識ることにある。

解説

戦国と治世とで、人を見る難しさが違うことを述べた短い段です。治世では人の裏の動きも浅く、見誤っても改められるのに対し、戦国の反間は幽微で、一度の誤りが命取りになります。反間とは、味方を装って敵に通じる者のことで、見破るには知恵だけでなく、感じ通じて黙って識るような勘が要るとされます。ここは戦時の話で、現代にそのまま当てはめにくい点です。ただ、失敗が取り返せる局面と、取り返せない局面とで、確認の手間を変えるという発想は役に立ちます。契約や人事の重大な決定では、一度の見誤りが組織の存続に響きます。

この章句が説くこと

反間間者見誤り取り返し明智判断

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