武治提要 / 知人・第3段
人の品其大綱善惡也。善人とは人に益ある也、惡人とは人に害ある也。益なく害なき、是を中人と云也。而して善の目五つ。一に云く勇、二に云く智、三に云く仁、四に云く信、五に云く忠也。惡の目亦五つ。一に云く我意の勇、二に云く邪智、三に云く懦弱、四に云く正義を不斜、五に云く邪欲の深き者これ也。而して綱目各大中小あり、中人に上中下あり、故に人品の綱九等にして、其目三十也。此委細を知こと容易ならず。而して其外象に善中惡、三のもの各眞艸あり、眞艸各輕重あり。眞とは其用法を主とし、其功驗を第二義と致す、これ也。艸はこれに反す。各うくる處の質なり。能德を修め、眞艸各其節に中て、其質を變ずるは、上品の材なり。鄕原は德の賊たること、先聖の格言なり。似て非なるもの、終に將の耳目をあやまち、其極國家に禍す。
新字:人の品其大綱善悪也。善人とは人に益ある也、悪人とは人に害ある也。益なく害なき、是を中人と云也。而して善の目五つ。一に云く勇、二に云く智、三に云く仁、四に云く信、五に云く忠也。悪の目亦五つ。一に云く我意の勇、二に云く邪智、三に云く懦弱、四に云く正義を不斜、五に云く邪欲の深き者これ也。而して綱目各大中小あり、中人に上中下あり、故に人品の綱九等にして、其目三十也。此委細を知こと容易ならず。而して其外象に善中悪、三のもの各真艸あり、真艸各軽重あり。真とは其用法を主とし、其功験を第二義と致す、これ也。艸はこれに反す。各うくる処の質なり。能徳を修め、真艸各其節に中て、其質を変ずるは、上品の材なり。郷原は徳の賊たること、先聖の格言なり。似て非なるもの、終に将の耳目をあやまち、其極国家に禍す。
書き下し
人の品其大綱善惡也。善人とは人に益ある也、惡人とは人に害ある也。益なく害なき、是を中人と云也。而して善の目五つ。一に云く勇、二に云く智、三に云く仁、四に云く信、五に云く忠也。惡の目亦五つ。一に云く我意の勇、二に云く邪智、三に云く懦弱、四に云く正義を不斜、五に云く邪欲の深き者これ也。而して綱目各大中小あり、中人に上中下あり、故に人品の綱九等にして、其目三十也。此委細を知こと容易ならず。而して其外象に善中惡、三のもの各眞艸あり、眞艸各輕重あり。眞とは其用法を主とし、其功驗を第二義と致す、これ也。艸はこれに反す。各うくる處の質なり。能德を修め、眞艸各其節に中て、其質を變ずるは、上品の材なり。鄕原は德の賊たること、先聖の格言なり。似て非なるもの、終に將の耳目をあやまち、其極國家に禍す。
現代語訳
人の品は、その大綱が善と悪です。善人とは人に益のある者、悪人とは人に害のある者です。益もなく害もない者を、中人といいます。そして善の目は五つあります。一に勇、二に智、三に仁、四に信、五に忠です。悪の目もまた五つあります。一に我意の勇、二に邪な智、三に懦弱、四に正義を貫かないこと、五に邪な欲の深い者、これです。そして綱と目にはそれぞれ大・中・小があり、中人には上・中・下があります。それで人品の綱は九等、その目は三十となります。この細かなところを知ることは容易ではありません。しかもその外に現れる姿に、善・中・悪の三つのものそれぞれに真と草があり、真と草にそれぞれ軽重があります。真とは、その用いる法を主とし、功験を第二義とするものです。草はこれに反します。それぞれが受けた質です。よく徳を修め、真と草がそれぞれ節度に当たり、その質を変えられる者は、上品の材です。郷原が徳の賊であるとは、先聖の格言です。似て非なる者は、ついに将の耳目を誤らせ、その極みに国家に禍いをなします。
解説
この章句が説くこと
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