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武治提要 / 齊家・第6段

不得止して貧は士の不幸なり。其所以無して貧は士の本意にあらず。これ平日武の淸素を心とせざる病なり。武將天下の富貴をたもつといへども、必ず自ら出納の大綱を知、其職役に淸廉の士を置て、武備の貨財をゆたかにすべし。

新字:不得止して貧は士の不幸なり。其所以無して貧は士の本意にあらず。これ平日武の清素を心とせざる病なり。武将天下の富貴をたもつといへども、必ず自ら出納の大綱を知、其職役に清廉の士を置て、武備の貨財をゆたかにすべし。

書き下し

不得止して貧は士の不幸なり。其所以無して貧は士の本意にあらず。これ平日武の淸素を心とせざる病なり。武將天下の富貴をたもつといへども、必ず自ら出納の大綱を知、其職役に淸廉の士を置て、武備の貨財をゆたかにすべし。

現代語訳

やむを得ない事情で貧しくなるのは、士の不幸です。理由もなく貧しいのは、士の本意ではありません。これは、平生から武の清素を心がけていない病です。武将が天下の富貴を保っていても、必ず自分で出納の大綱を知り、その職役に清廉な士を置いて、武備の財貨を豊かにしなければなりません。

解説

この段は、やむを得ない貧しさは不幸だが、理由なく貧しいのは士の本意ではなく、普段から清く素朴な暮らしを心がけていない病だとしています。そして、武将は富貴を保っていても、出納の大綱を自分で知り、清廉な士を財の担当に置いて、武備の財貨を豊かにせよと説きます。清素と財の管理を矛盾させずに並べている点が特徴です。現代の経営者や管理職にとっても、お金の流れを人任せにせず概要を把握しておくこと、そして経理や財務の担当に誠実な人を置くことは、組織を守る基本です。質素であることと、備えのために財を蓄えることの両立を考える段です。

この章句が説くこと

出納清廉財質素備え武治提要

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