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武治提要 / 齊家・第5段

武門、鷹と馬とを以て主物とす。馬は其能を愛し、鷹は其德を貴み、且其能を愛す。馬は士の足なり、故に駿馬を蓄ゑ、士の先務にして、これ其能を愛する所以なり。鷹は勇あつて常に勝氣を存す、天地の生物これに及ものなし、これ鷹の德なり。故に必これをたつとむ。放鷹して武をならわすは、鷹の能なり。故に必これを愛す。外域玉を主物となすに相反せり。

新字:武門、鷹と馬とを以て主物とす。馬は其能を愛し、鷹は其徳を貴み、且其能を愛す。馬は士の足なり、故に駿馬を蓄ゑ、士の先務にして、これ其能を愛する所以なり。鷹は勇あつて常に勝気を存す、天地の生物これに及ものなし、これ鷹の徳なり。故に必これをたつとむ。放鷹して武をならわすは、鷹の能なり。故に必これを愛す。外域玉を主物となすに相反せり。

書き下し

武門、鷹と馬とを以て主物とす。馬は其能を愛し、鷹は其德を貴み、且其能を愛す。馬は士の足なり、故に駿馬を蓄ゑ、士の先務にして、これ其能を愛する所以なり。鷹は勇あつて常に勝氣を存す、天地の生物これに及ものなし、これ鷹の德なり。故に必これをたつとむ。放鷹して武をならわすは、鷹の能なり。故に必これを愛す。外域玉を主物となすに相反せり。

現代語訳

武門は、鷹と馬を主な物とします。馬はその働きを愛し、鷹はその徳を貴び、またその働きも愛します。馬は士の足です。そのため駿馬を養うのは士の優先の務めであり、これがその働きを愛するゆえんです。鷹は勇があって、つねに勝とうとする気を持ち、天地の生き物でこれに及ぶものはありません。これが鷹の徳です。ですから必ずこれを尊びます。鷹を放って武を習うのは、鷹の働きです。ですから必ずこれを愛します。外国が玉を主な物とするのとは相反しています。

解説

この段は、武門が主な物とするのは鷹と馬であり、外国が玉を重んじるのとは違うと述べています。馬は士の足として働きを愛し、鷹は勇と勝つ気という徳を貴び、鷹を放つことで武を習うので働きも愛する、という整理です。つまり、物を持つ理由が見栄や価値の高さではなく、役に立つ働きと、そこに見る徳にあるという考え方です。外国との対比には当時の立場がにじみますが、本文の範囲では、何を大切にするかで集団の気風が決まるという点が読み取れます。現代の組織でも、評価や予算を何に振り向けるかが、価値観を映す鏡になります。

この章句が説くこと

鷹馬働き徳価値観武治提要

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