武治提要 / 知人・第1段
武德を天下に敷の道、人を知を第一とす。天下萬機の事物、これを治むること實に難して、其本唯三五人を知て擧用ゆるにあるのみ。然らば乃天下の治甚難して、又甚易にあらずや。武將の心を用ゆること此一件を深重也とす。
新字:武徳を天下に敷の道、人を知を第一とす。天下万機の事物、これを治むること実に難して、其本唯三五人を知て挙用ゆるにあるのみ。然らば乃天下の治甚難して、又甚易にあらずや。武将の心を用ゆること此一件を深重也とす。
書き下し
武德を天下に敷の道、人を知を第一とす。天下萬機の事物、これを治むること實に難して、其本唯三五人を知て擧用ゆるにあるのみ。然らば乃天下の治甚難して、又甚易にあらずや。武將の心を用ゆること此一件を深重也とす。
現代語訳
武の徳を天下に敷く道は、人を知ることを第一とします。天下のあらゆる事物を治めるのは本当に難しいことですが、その根本はただ三、五人を知って取り立てることにあるだけです。そうだとすれば、天下を治めることはたいへん難しく、また、たいへん易しいのではないでしょうか。武将が心を用いるのは、この一件が最も重大です。
解説
この段は、天下を治める根本は、ただ三、五人を知って取り立てることにあると言い切っています。天下の万事を治めることは難しくも易しくもあるという逆説的な言い方で、人を知る一点に力を集中させるよう促しています。現代の組織でも、経営者や管理職が自分だけで全てを抱え込むのではなく、信頼できる数人を見極めて任せることで、運営が一気に楽になる場面は多くあります。逆に、人を知る努力を怠ると、いくら勤勉でも負担が増えるばかりです。ここでの「知る」が何を意味するかは、次の段以降で詳しく展開されます。
この章句が説くこと
知人登用人を知る任せる根本武治提要
関連する章句
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