武治提要 / 修身・第1段
武將武治を天下に敷の先務、脩身にあり。脩は治也、條理あつて綱目明に、不正の言行あらざる、是を修身と云也。武將の天下にあること、太陽の天にかゝるが如し。深閨の密事、別殿の戲遊のごときも、泄て傳はらずと云ことなし。若下正懦弱の言行あるときは、天下の士ひそかにこれをあなどる。あなどるときは、武威これより傾廢す。故に武將の天下にあること、重を負て春氷を渡がごとし。脩身の用重かな、深かな。
新字:武将武治を天下に敷の先務、脩身にあり。脩は治也、条理あつて綱目明に、不正の言行あらざる、是を修身と云也。武将の天下にあること、太陽の天にかゝるが如し。深閨の密事、別殿の戯遊のごときも、泄て伝はらずと云ことなし。若下正懦弱の言行あるときは、天下の士ひそかにこれをあなどる。あなどるときは、武威これより傾廃す。故に武将の天下にあること、重を負て春氷を渡がごとし。脩身の用重かな、深かな。
書き下し
武將武治を天下に敷の先務、脩身にあり。脩は治也、條理あつて綱目明に、不正の言行あらざる、是を修身と云也。武將の天下にあること、太陽の天にかゝるが如し。深閨の密事、別殿の戲遊のごときも、泄て傳はらずと云ことなし。若下正懦弱の言行あるときは、天下の士ひそかにこれをあなどる。あなどるときは、武威これより傾廢す。故に武將の天下にあること、重を負て春氷を渡がごとし。脩身の用重かな、深かな。
現代語訳
武将が武による治を天下に敷くための最優先の務めは、身を修めることにあります。「脩」とは治めることで、筋道があって綱目が明らかであり、不正な言行がないことを修身といいます。武将が天下にあるのは、太陽が天にかかっているようなものです。奥深い部屋での密事や、別の御殿での戯れ遊びでさえ、漏れて伝わらないことはありません。もし不正や軟弱な言行があれば、天下の士はひそかにこれを侮ります。侮られれば、武の威はそこから傾き廃れます。ですから、武将が天下にあるのは、重い荷を負って春の薄氷を渡るようなものです。修身の用の重く深いことよ。
解説
この章句が説くこと
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