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墨子 / 耕柱

子夏之徒問於子墨子曰:「君子有鬬乎?」子墨子曰:「君子無鬭。」子夏之徒曰:「狗狶猶有鬬,惡有士而無鬬乎子墨子曰:「傷矣哉!言則稱於湯文,行則譬於狗狶傷矣哉!」

新字:子夏之徒問於子墨子曰:「君子有鬬乎?」子墨子曰:「君子無闘。」子夏之徒曰:「狗狶猶有鬬,悪有士而無鬬乎子墨子曰:「傷矣哉!言則称於湯文,行則譬於狗狶傷矣哉!」

書き下し

子夏の徒、子墨子に問いて曰く、「君子に鬬有りや」と。子墨子曰く、「君子に鬭無し」と。子夏の徒曰く、「狗狶すら猶お鬬有り。惡んぞ士有りて鬬無からんや」と。子墨子曰く、「傷ましいかな。言えば則ち湯・文に稱し、行えば則ち狗狶に譬う。傷ましいかな」と。

現代語訳

子夏の門人が墨子に尋ねた。「君子に争いはありますか」。墨子が言った。「君子に争いは無い」。子夏の門人が言った。「犬や豚にさえ争いがあります。どうして士でありながら争いが無いことがありましょう」。墨子が言った。「痛ましいことだ。言葉では湯王や文王を持ち出し、行いでは犬や豚にたとえる。痛ましいことだ」。

解説

言葉と行いとで、引き合いに出す相手が食い違っているという批判です。語るときは聖王を、振る舞いを弁護するときは犬や豚を持ち出す。理想は高く掲げ、実際の行いは最低の基準で正当化する。この形の言い訳はいまも珍しくなく、「傷矣哉」と二度繰り返す嘆きがよく効いています。

この章句が説くこと

言行理想弁解批判基準

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